「海の厄介者」ニザダイをキャベツで養殖 くら寿司、数量限定も約1週間で完売

ニザダイを定置網で漁獲後、養殖用の生けすに移し、1週間から10日間ほどキャベツを与える(くら寿司提供)
ニザダイを定置網で漁獲後、養殖用の生けすに移し、1週間から10日間ほどキャベツを与える(くら寿司提供)

回転ずしチェーン大手のくら寿司が、市場であまり取引されない低利用魚の「ニザダイ」の臭みを軽減するためキャベツを餌にして養殖し、数量限定で全国発売したところ、約1週間で完売する人気ぶりとなった。キャベツで養殖したニザダイの全国発売は今回が初の試みだったが、くら寿司では「今後も定期的に販売ができる体制づくりを目指す」としている。

「磯焼け」の原因、駆除の対象

ニザダイは独特の臭みがあり、駆除の対象となっている(くら寿司提供)
ニザダイは独特の臭みがあり、駆除の対象となっている(くら寿司提供)

ニザダイはスズキ目ニザダイ科に分類される魚で、東アジア沿岸の暖海域に生息。国内では西日本地方を中心に捕獲されている。ニザダイには独特の臭みがあることから商品化へのハードルも高く、「市場であまり取り引きされない低利用魚」(同社)だったという。また、ニザダイは海藻を主食としていることから、海藻が大規模に消失する現象の「磯焼け」の原因とされ、駆除の対象ともなってきた。

同社では、ウニに餌としてキャベツを与えたところ味がよくなったことなどが紹介されたテレビ番組を参考に、ニザダイにも同様にキャベツを与える実証実験を行った結果、理由はまだはっきりとはしないものの独特の臭みが軽減したことが判明。令和2年11月に10店舗で試験的に販売したところ、利用者から好評を得た。

「脂ものっていて甘味」が特徴

くら寿司が全国発売した「キャベツニザダイ」(くら寿司提供)
くら寿司が全国発売した「キャベツニザダイ」(くら寿司提供)

ニザダイのキャベツ養殖は通常、定置網で漁獲後に養殖用の生けすに移し、1週間から10日間ほど餌としてキャベツを与える。

今回は九州地方の定置網で漁獲したニザダイに、廃棄予定のキャベツを与えて養殖し、約14万食分を用意。「キャベツニザダイ」(2貫220円)という商品名で16日から全国の店舗で発売したところ、約1週間で完売した。「味はマダイに近く、脂ものっていて甘味がある」(同社)という。

同社では、海の貴重な資源を守り育て、無駄なく有効活用する「天然魚プロジェクト」を平成22年から展開。その一環として、汽水域(河川が海に淡水を注ぎ入れている河口部)に生息するボラなどの低利用魚の活用も進めてきた。同社は「為替の影響を受けにくい国産天然魚の仕入れを積極的に進めることは、商品の安定的な供給に加え、商品をリーズナブルに提供できる」としている。


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