<独自>大広 決裂一転、代理店に 参画交渉で元理事介入 五輪汚職

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会スポンサー企業の選定業務への参画を目指していた広告会社「大広」(大阪市)と、スポンサーとなった語学サービス系企業(同)の交渉が当初、決裂していたことが28日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、大会組織委員会元理事の高橋治之(はるゆき)容疑者(78)=受託収賄容疑で再逮捕=が交渉に介入し、一度頓挫したスポンサー契約が成立、大広の参画も可能になったとみて捜査を進めているもようだ。

関係者によると、大広側は以前から取引のあったサービス系企業に大会スポンサー契約を持ち掛けたが、協賛金が高額だとして企業側に拒否された。

組織委の「マーケティング専任代理店」としてスポンサー選定を主導していた電通側も複数回にわたりスポンサー契約を打診したが、15億円が目安とされる協賛金額を理由に、企業側は再び断ったという。

その後、平成28~29年に高橋容疑者が交渉過程に介入し、サービス系企業側に「協賛金は7億円で契約可能」と提案した。関係者によると高橋容疑者は同時期、大広執行役員の谷口義一容疑者(57)=贈賄容疑で逮捕=から、この企業のスポンサー契約に関し電通を補佐する「販売協力代理店」に大広が選ばれるよう依頼(請託)を受け、電通の東京五輪担当室長らに働きかけたという。

協賛金を7億円とする提案を承諾した企業側は30年、組織委とスポンサー契約を結んだ。同社幹部は「9億円以内であれば広告宣伝費としても妥当な範囲だと考えており、高橋容疑者の提案を受け入れた」と明かした。

協力代理店は、組織委からスポンサー選定業務を委託された電通から一部の業務を再委託され、報酬を受け取る仕組み。サービス系企業がスポンサー契約を結んだことで、電通から大広へは計約2600万円が支払われた。

特捜部は、高橋容疑者の知人、深見和政容疑者(73)=受託収賄容疑で再逮捕=が代表を務めるコンサルティング会社「コモンズ2」の口座に、大広の口座から振り込まれた計約1500万円を賄賂と認定している。

会員限定記事会員サービス詳細