世界ウイグル会議議長「起きているのはジェノサイド」 安倍元首相に献花

インタビューに応じる世界ウイグル会議のドルクン・エイサ議長=28日午後、東京都内(原川貴郎撮影)
インタビューに応じる世界ウイグル会議のドルクン・エイサ議長=28日午後、東京都内(原川貴郎撮影)

中国当局による新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権弾圧を訴えるため来日した「世界ウイグル会議」(本部・ドイツ)のドルクン・エイサ議長が28日、産経新聞の取材に応じた。中国は強制労働や女性への避妊手術の強要などを否定しているが、ドルクン氏は、ウクライナ危機の発生以降、当局による人権弾圧は悪化していると指摘し、「中国は魔術師の仮面をかぶっている。それを早く見抜いてほしい」と語った。(聞き手 原川貴郎)

--今回の来日の目的は

「第1は、中国による弾圧、ジェノサイド(民族大量虐殺)の本当の実態を、もっと多くの人に伝え、対策をとってもらうためだ。第2にウイグルの人権問題に早くから取り組んでくれた安倍晋三元首相に弔意を表すためだ。国葬が行われた27日の朝、(一般の)献花場に1時間ほど並び、遺影の前に献花し、感謝を伝え、祈りをささげた」

--安倍氏はどのような存在だったか

「今日のように国際的な問題になる前から、ウイグルの人権問題に関心を持っていた方だ。私は2008年に初めて来日した際に、あいさつすることができた。他の国が口にできなかったそのころから、中国の指導者にウイグルの問題を堂々と話したのが安倍氏だった。その死は日本人だけではなく、世界のウイグル人にとっても、すごく悲しいことだ」

--30日に超党派の「日本ウイグル国会議員連盟」の総会に出席する

「私たちにとって非常に重要な会議になる。日本の国会や政府に何を求め、期待するか。きちんとした形で示せるよう資料を準備してきた。これから具体的にどのような形で協力するのか、そのための話し合いをしたい。中国が在日ウイグル人に圧力をかけることが多くある。日本のウイグルコミュニティーが抱える問題に対し、政府、議連が何ができるのか。可能性と限界を考えていきたい」

--ロシアによるウクライナ侵攻後、ウイグル問題に対する国際社会の関心が低下したのではないか

「ウクライナ危機は国際社会にとって大きい問題だが、ウイグルにとっても大変な問題だと考えられている。ウクライナ危機が始まってから、ウイグル問題が完全に注目されないようになってしまった。中国はこの状況をチャンスと考えて、弾圧、ジェノサイドをはるかに強力に行うようになっている」

「具体的には、エリート階級の人たちが行方不明になる事案が以前よりずっと増え、以前に逮捕された人たちが、再び逮捕されるといったことが続いている。状況は逆に悪化している」

--衆院は2月に、「中国」「非難」「人権侵害」といった文言がない人権決議を採択した

「人権問題は、いろんな場所で、いろんな形で起きているが、ウイグルで起きているのはジェノサイドだ。日本には、ここの区別をはっきりした上で、国際的な舞台で立場を示してもらいたい。日本は世界第3位の経済大国で、アジアでの影響力も大きい。それに自由の国だ。私たちや国際社会の期待に応えられる国だと信じている」

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