大阪・枚方で聖夜にノンストップ盆踊り 万博盛り上げへイベント

スターダスト河内の地元・枚方市岡東町での盆踊り=令和元年
スターダスト河内の地元・枚方市岡東町での盆踊り=令和元年

盆踊り文化の継承と世界への発信を目指す大阪府枚方市の盆踊りチーム「スターダスト河内」が活動20周年を記念して12月24日、有名音頭取りを招いて6時間ノンストップのイベントを開催する。2025年大阪・関西万博を盛り上げる共創チャレンジにも参加。新型コロナ禍で希薄になった人々のつながりを取り戻し、踊りに込めた日本の心を海外に伝えるため、「盆踊りで万博を盛り上げ、国内外からのお客さんをもてなしたい」と思い描いている。

先生もダンス

「みんなうまくなったよ」。9月中旬、枚方市立香陽小学校体育館で体操服姿の3年生がダンスを繰り返し練習していた。

指導したのは、スターダスト河内のメンバーの大学生と社会人。10月の運動会に向けてレクチャーを依頼された。曲は市の公式ソング「この街が好き」ダンスバージョン。「まいかたちゃいます。ひらかたでんねん」のキメポーズが子供たちのお気に入りだ。

3年2組の担任、小谷貴司教諭(39)は「子供からのプレッシャーが大きく、教員も動画をみてダンスの練習をしています」と額の汗をぬぐった。

枚方市の公式ソング「この街が好き」ダンスバージョンの振り付けを指導するスターダスト河内のメンバー=同市立香陽小学校
枚方市の公式ソング「この街が好き」ダンスバージョンの振り付けを指導するスターダスト河内のメンバー=同市立香陽小学校

スターダスト河内は学校の週休2日が始まった平成14年、市立枚方第二小学校の児童と保護者が設立した。当時は「よさこいソーラン」などの創作ダンスがブームだったが、河内音頭の元節(もとふし)として地元に伝わる交野節に目を向けて活動を続けてきた。

これまでにかかわったメンバーは200人以上。数々のダンスコンテストに入賞し、全国の伝統的な踊りを習得しながら舞台向けの盆踊りも開発。最近はイベント全体を手掛けるなど、約30人のメンバーで活動の幅を広げている。

チーム代表の嶋田ゆかりさん(56)は「うちは若い子たちが小中高大学を通して頑張ってくれる。音頭取りさんからもスターダストが来ると盛り上がると喜んでもらえるようになった」と胸を張る。

チームを成長させたのは、神社の鎮座記念祭や戦没者慰霊祭での演舞。若いメンバーが歴史を学び、先祖を供養する盆踊りの本質をより強く意識するようになったという。

7会派競演

クリスマスイブに開催する20周年記念イベントは枚方市役所前の公園を会場とし、大阪と滋賀の音頭取り7会派の会主が顔をそろえる。本来、同じ舞台に立つことのない会派の異なる音頭取りたちが、河内音頭、江州音頭、泉州音頭、交野節を生で聴かせ、メンバーが途切れることなく踊る。

嶋田さんは「盆踊りは録音ではなく生の演奏が本来の姿。子供たちにぜひ体験してほしい」と話す。

盆踊り文化の海外発信も現実になりつつある。

今月、5万人以上を集め、世界最大とされるマレーシアの盆踊りにかかわるマレーシア元留日学生協会のゲイリー・タン会長が来日中に面会でき、来夏の盆踊りに招待してくれた。

チームの中核を担う久富雅美さん(37)は「マレーシアの盆踊りに東京音頭や花笠音頭はあるのに河内音頭がないと知り、実演させてとお願いした。河内音頭や交野節をマレーシアに広め、大阪万博でコラボしたい」と言葉に熱を込める。

大阪ナイトライフ

大阪万博を盛り上げる共創チャレンジには「Dance!ダンス!盆おどり!!」というチーム名で参加し、協力団体などを募っている。

大阪万博に向けては、河内音頭を継承する河内家菊水丸さんから声がかかっているほか、河内音頭の本場・八尾市の関係者とも連絡を取っている。具体的な形はまだ見えないが、地元密着の盆踊りに横のつながりを持たせて広げていきたいという。

ヒントとなるのは、3年前にチームが密着取材を受けたイギリスBBC放送の旅番組だ。やぐらを囲んで浴衣姿の老若男女が楽しむ盆踊りは日本の「ナイトライフ」として注目された。

「盆踊りは飛び込みの外国の方でも見よう見まねで踊ることができ、地域との一体感も得られる」と嶋田さん。

大阪万博の会期は4月から半年間に及ぶ。「今日は河内、明日は泉州とか、毎晩のようにどこかで盆踊りがあれば大阪の夜を楽しんでもらえるのでは」と話している。

オリジナルの交野節 番組で紹介

枚方市がオリジナルの交野節の制作を10万円のふるさと納税の返礼品にしたところ、昨年末、初めて注文が入った。依頼したのはインターネット放送「旅のラジオ」でパーソナリティーを務める東京在住の岡田悠さん(34)。

岡田悠さん
岡田悠さん

作詞と収録を行ったのはスターダスト河内を兼務する交野ヶ原交野節・おどり保存会のメンバー。岡田さんが番組で音源を紹介するとツイッターに8千を超える「いいね」がついた。

「番組の歩みを音頭にしてもらおうと気軽に申し込んでみたら〝ガチの音頭〟が届いた。リスナーの反応も期待以上で驚きました」

保存会のメンバーは全50回の放送からエピソードを拾って詞に盛り込み、14分の作品に仕上げたという。

今月、枚方市を訪れ、保存会のメンバーと初対面した岡田さんは「交野節の自由さ、客ウケ重視の大阪らしさに感動した。リスナーと盆踊りをやってみたくなった」と話している。(守田順一)

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