ローミング実現なお遠く 犬猿の携帯各社連携なるか

auショップの入口には2日に発生した通信障害についての謝罪の文章が掲示されていた=3日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
auショップの入口には2日に発生した通信障害についての謝罪の文章が掲示されていた=3日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

28日の総務省の有識者会議で事業者間ローミングは実現に向けて一歩を踏み出したが、技術的なハードルの低い緊急通報発信に限定しても導入には3年以上かかる見通しが示された。そうした中、NTTやソフトバンク首脳は、ローミングより早期に実現できるサービスとして、携帯2社が連携して1社の回線が不通になった場合にもう1社の回線につなげられるプランを新設する必要性を強調した。しかし、激しい顧客獲得競争を展開してきた〝犬猿の仲〟の携帯大手4社が円滑に連携できるかは予断を許さない。(大坪玲央)

「開発期間だけでも3年程度は必要だ」

携帯電話大手など通信事業者で構成する電気通信事業者協会は28日の有識者会議で、ローミングの実現に向けたシステム開発期間についてこう明言した上で、実際の導入には携帯電話端末での実証なども含めてさらに時間がかかるとの見方を示した。

会議ではローミングの対象とするサービスの範囲について、緊急通報だけでなく一般通話も含めるべきだという意見が有識者から相次いだが、一般通話も含めた場合は実現にはさらに時間がかかる可能性が高い。

ローミング実現に時間がかかることを踏まえ、NTTの島田明社長は、なるべく早期に提供できるバックアップサービスとして、1社で障害が発生した際に他社に通信が切り替わる携帯大手2社が連携した新プランなどを挙げ、「今の通信障害の対策としてはそういうものが役に立つだろう」と述べた。ソフトバンクの宮川潤一社長も同趣旨の発言をしており、同社幹部も28日の会議で改めて強調した。

KDDIの高橋誠社長は法人顧客に対して事業継続のために他社の携帯電話回線を並行して導入するよう推奨する方針を示している。

一方、ローミングの今後の論点として重要となりそうなのがシステム開発などの費用負担だ。ソフトバンクは緊急通報に限定した場合は「社会貢献として無償提供する」と明言したが、一般通話やデータ通信を対象とした場合については、利用者から負担を求める可能性も示唆した。実現に向けたスピード感や利便性をどこまで担保するかに加え、費用面などローミングの課題は山積している。

ローミング「一般通話も」、有識者会議で提起 各社は「緊急通報のみ」を主張

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