サッカー日本代表、2連戦手応え 選手層など課題も

エクアドル戦の後半、攻め込む鎌田大地(左)=27日、デュッセルドルフのエスプリ・アレーナ(蔵賢斗撮影)
エクアドル戦の後半、攻め込む鎌田大地(左)=27日、デュッセルドルフのエスプリ・アレーナ(蔵賢斗撮影)

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会メンバー発表前最後の実戦となった米国、エクアドルとの2連戦を、日本は1勝1分けで終えた。森保監督は「W杯に出場する2チームを無失点で抑えられた。勝ち点で言えば4。本大会につながる積み上げができた」と総括。強豪ぞろいのW杯1次リーグ突破へ、確かな手応えを得た。

複数戦術にトライ

最大の収穫は、劣勢を想定した〝新布陣〟が機能したことだ。森保監督は23日の米国戦で、かつて愛用してきた4-5-1を軸にした。試合序盤からFW前田(セルティック)がしつこくDF陣を追いかけてパスコースを限定。乱れたところをトップ下の鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)らが奪い取り、理想とする「いい守備からいい攻撃」を体現した。

アジア最終予選途中から導入してきた4-3-3は攻撃力に課題があった。左サイドで鎌田と好連係した久保(レアル・ソシエダード)は「FWの後ろにトップ下がいることで、攻撃の幅が広がる」と効果を口にした。

W杯1次リーグは優勝経験のあるドイツとスペイン、最高成績8強のコスタリカと同組。格上から得点を挙げるための策は多いにこしたことはない。2試合を通して3バックや2トップも試し、戦術の幅を広げた意義は大きい。

活発議論で細部確認

チームの一体感も高まってきた。6月の強化試合では、選手の主体性を重んじる森保監督のやり方に不満の声も出た。今回の活動で原口(ウニオン・ベルリン)は、「会話やミーティング量は多くなった。詳細まで詰めていくような作業が増えている」と明かす。

試合日までの勝敗や戦況、点差などさまざまな状況を想定し、約束事を細部まで確認。意思統一のスピードは「高まった」と久保。ミーティングでは特に若手が躊躇(ちゅうちょ)なく発言しているといい、過去3度W杯出場の長友(FC東京)は「ベテランが引っ張るという感覚がない。非常にいいチームになっている」。W杯を目前に控え、戦う集団へ変貌を遂げている。

厳しい現実も

宿題も残った。連戦のW杯を勝ち抜くための「2チーム構想」は低調だった。米国戦から中3日。W杯1次リーグ2戦目のコスタリカ戦と仮定し、先発総入れ替えで臨んだエクアドル戦は連係の粗が目立った。「Bチーム」で引き分けたことに及第点を着ける選手も多かったが、ドイツ、スペインと同組であることを考えればコスタリカからは確実に勝ち点3を奪いたい。本気で8強入りを狙うなら、戦力の底上げは喫緊の課題だろう。

セットプレーからは相変わらず得点の気配がない。欧州組を含む日本代表では、昨年6月のW杯アジア2次予選キルギス戦以降ゴールはなし。2連戦の裏で開催された欧州ネーションズリーグではドイツ、スペイン両国がセットプレーからの失点で敗戦を喫した。攻略の糸口となりそうなだけに、工夫がほしい。

約1カ月後には、本大会を戦う26人が決定する。森保監督は「まずは所属クラブで勝たせるプレーをして、存在感を放ってもらいたい」と個々のレベルアップを促した。(川峯千尋)

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