ソウルからヨボセヨ

日本旅行解禁の裏で

「飛行機、ホテル、全部予約した!」。今月中旬、日本が10月以降、海外から個人旅行客の受け入れを解禁し、査証(ビザ)なしの短期滞在も認めるとの報道が流れるや、韓国人の知人からうれしそうに連絡が来た。旅行サイトで日本への旅行の予約が前月比で8・8倍に増加するなど、日本行きを2年半待ち続けた人々の熱気が高まっている。

ただ、無条件に喜ぶ人ばかりでもない。ソウル市内で昨年、天ぷら店をオープンしたばかりの店主は「現地人気が高まれば、国内の多くの日本料理店が店をたたむことになる」と危機感を募らせる。高級感のある「オマカセ」メニューを用意すれば若者らが列をなす「日本料理バブル」を受けて、過剰な開店ラッシュが続いていたという。

日本の各自治体からソウルに出向し、観光業務にあたる職員らも笑顔ばかりではない。仁川空港などの直行便の発着枠は限られており、自治体同士の争奪戦が激化。「冬季の海外観光客の中心はゴルフを楽しむ韓国人」だという沖縄県の担当者も、「直行便確保のメドはついていない」と頭を悩ませている。

交流再開は日韓関係にどう影響するのか、腰を据えて取材する必要がある。記者の私も、予想される格安航空券の増加を、喜ぶだけでは済まなそうだ。(時吉達也)

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