ファシスト源流の女性首相誕生か イタリア総選挙 右派連合、勝利の見通し

26日、イタリア・ローマの「イタリアの同胞」選挙対策本部で語るメローニ党首(ロイター=共同)
26日、イタリア・ローマの「イタリアの同胞」選挙対策本部で語るメローニ党首(ロイター=共同)

【パリ=三井美奈】イタリアで25日、総選挙の投票が行われ、開票作業が始まった。国営放送が報じた出口調査によると、欧州連合(EU)に批判的な右派連合が、上下両院で議席の過半数を占め、勝利する見通し。旧ファシスト党の流れを汲む強硬右派「イタリアの同胞」が第一党になり、ジョルジャ・メローニ党首(45)がイタリア初の女性首相に就任する可能性が高まった。

出口調査の得票率は、「イタリアの同胞」が26~22%。右派連合の合計は45~41%で、下院(定数400)では257~227議席、上院(同200)で131~111議席を獲得する見通し。民主党を中心とする左派連合は30~26%、コンテ前首相の「五つ星運動」は18~14%だった。

メローニ氏は、20世紀に独裁者ムソリーニが率いたファシスト党の後継政党に所属し、2012年に「イタリアの同胞」を結成した。ムソリーニを支持する発言をしたこともあり、極右と位置付けられてきた。「イタリア第一」で不法移民の排斥を訴える一方、EUの支援金を受けるため、協力すると姿勢を軟化させ、支持を拡大した。右派連合には同党のほか、サルビーニ前内相が率いる「同盟」、ベルルスコーニ元首相の「フォルツァ・イタリア」が参加している。

右派政権は親ロシア色が濃厚で、EUの対露制裁に影響を与える可能性がある。サルビーニ氏は、国内経済への打撃を理由に対露制裁の見直しを要求。ベルルスコーニ氏はプーチン露大統領と個人的に親しく、22日にテレビで、ウクライナ侵攻は「(ゼレンスキー政権を)まっとうな人たちに代えるためだった」と擁護した。

今回の選挙は、欧州で「反移民」を掲げるEU懐疑派の勢いを示した。11日には、スウェーデン総選挙で移民排斥を訴える極右が第2党に躍進している。イタリア総選挙は、7月にドラギ連立政権が崩壊したのを受けて、前倒し実施された。

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