スマホで予約できる「街かど」の防音個室ブース 快適で静か「仕事の効率上がった」

業務の効率化で社員の負担減と会社の収益増を目指す「働き方改革」は、2016年に政府が本格的な推進を始めたことで流れができ、コロナ禍のリモートワーク普及によって一気に定着した。

「ウイズコロナ」の時代に入った今、働き方改革はさらに進化している。オンラインとリアルが絡み合う、まさにハイブリッドなビジネス環境で、仕事へのより柔軟な対応を求められるようになっている。こうしたなか、社員にとって大きな課題は、「オフィス」「自宅」のように仕事ができる機動的な「サードプレイス」(第三の場所)をいかに確保するかだといわれている。

ビル、駅、コンビニ… 邪魔されない「第三の仕事場」

東京駅前「新丸の内ビルディング」内に設置された「街かどテレキューブ」。普段通り過ぎていた場所がサードプレイスになる
東京駅前「新丸の内ビルディング」内に設置された「街かどテレキューブ」。普段通り過ぎていた場所がサードプレイスになる

カフェなどと異なり、静かな個室で、誰にも邪魔されることなく、会議に参加し、携帯で通話し、パソコンで事務作業ができるスペースが理想だ。コワーキングスペースもいいが、1カ所に固定されてしまう。自分だけの「仕事場」をあちらこちらに持つことができれば、仕事の効率は一気に高まるだろう。

こうしたニーズを見据えて設置が進んでいるのが、防音個室ブース「街かどテレキューブ」だ。株式会社ブイキューブでは、テレキューブサービス株式会社と協力し、2019年から首都圏、関西、東海を中心に、オフィスビル、公共施設、大手私鉄の駅構内、空港、ショッピングセンター、コンビニエンスストアなどに開設している。ブイキューブによると、22年8月現在、124カ所で計230台が稼働している。3月からはブイキューブによる法人契約のサービスもスタートさせた。

→「街かどテレキューブ」について詳しく調べる

「カフェじゃ営業報告できない」

契約企業の1社、産経新聞社のメディア営業局は、8月に「街かどテレキューブ」の法人契約を結び、局員が活用を始めている。同局は社内の働き方改革を主導するかたちで、自席を設けないフリーアドレス化など、オフィス環境の改善を積極的に進めてきた。その過程ですでに、オフィス内に1人用テレキューブ2台を導入していた。

このため、何かとやかましい新聞社のオフィスで、騒音を気にせず電話で大事な打ち合わせをしたり、周囲に迷惑をかけたり会議室を独占したりせずに社内外とのウエブ会議を行ったりと、多くのスタッフがテレキューブの威力を日常的に体感していた。

それだけに、社外で活用できる街かどテレキューブの法人契約は「大歓迎。待ちかねていた」(30代男性)と好評だ。室内のサイズや雰囲気、什器が職場に置かれたテレキューブと大差ないためか、社外でも違和感なく使いこなしているようだ。

春以降、局内で検討されていた街かどテレキューブの法人契約を後押ししたのは、局員の切実な声だった。30代前半の女性社員、Aさんは5月下旬の午前中、東京近郊の自宅で取引先とウエブ会議をしていた。昼前に終えて、約1時間かけて大手町の本社に出社し、所属部署で午後1時から始まる会議に出席するはずだった。ところが…。

「ウエブ会議が長引き、終わったのは12時10分すぎ。身支度は整えていたので、すぐに家を出ましたが、もう遅刻は確実。本当に焦りましたね」

Aさんは最寄り駅から乗った電車内でも「気が気じゃなかった」という。地下鉄に乗り換えるターミナル駅の構内にはカフェがあり、そこからウエブで参加することも考えた。しかし、すぐに打ち消した。

「発言の機会がなく、指示や説明を聞くような会議の場合は、イヤホンを使えば支障ないかもしれませんが、部の定例会議なので、自分もクライアントとの企画の進捗を報告します。小声じゃ聞こえないでしょうし、カフェでは絶対に無理ですね」

確かに、カフェでは周囲の話し声やBGMが気になるし、ウエブ会議の発言によって自社や取引先の機密が第三者に漏れるリスクも伴う。何より、自分の声で他の客に迷惑をかけたり、苦情を受けたりするかもしれない。このため、最近では店内でのウエブ会議を禁止するカフェも増えている。

スマホで簡単予約 開錠・施錠も

「街かどテレキューブ」は主要駅近くのオフィスビル内など便利な場所に多く設置されており、見つけやすい(東京駅前「丸の内オアゾ」内)
「街かどテレキューブ」は主要駅近くのオフィスビル内など便利な場所に多く設置されており、見つけやすい(東京駅前「丸の内オアゾ」内)

このとき、思い出したのが、乗換駅の構内に置かれている「街かどテレキューブ」だった。Aさんは急いでスマートホンで検索し、個人で会員になった。「決済用のカード情報の入力などはありましたが、とても簡単でした。乗換駅に着くまでに、予約もスムーズにできました」

街かどテレキューブは、スマホで設置場所を検索し、空いていれば、利用日時を指定するだけで予約が完了する。設置場所を示すビルや駅などの構内図も表示されるので、出張先のような不慣れな土地でも迷う心配は少ない。入退室時の開錠・施錠は自分のスマホで行う仕組みで、専用のキーやカードを持ち歩く必要もない。

駅構内の街かどテレキューブの室内は、社内に設置されたテレキューブと同様、ゆったりしており、外の騒音もほとんど聞こえない。Aさんは「本当に助かりました」と振り返る。その後も、訪問先から帰社する途中など、さまざまなシーンで活用し、「快適で便利なので、すっかりファンになりました」と話す。

→予約から利用まで、かんたん!な「街かどテレキューブ」

「お茶代」超える個人負担は「辛い」

ここで大きな問題に直面した。利用料金だ。個人で会員になり、街かどテレキューブを利用すると、料金は15分あたり250円(税別)だ。1回30分間程度ならカフェのお茶代と大差はない。

ところが、「ウエブ会議だと当然、開始時間前に入室しますし、事前に準備したいときもあります。退室時間も会議が延びることを想定し、余裕をもって終了の30分後くらいにしておきたいです。入室後に延長もできますが、ウエブ会議中にスマホをいじっている姿が先方に見えると、とても失礼だと思います」。Aさんは局内に置かれたテレキューブを横目に、同僚と「街かどテレキューブの法人契約もしてくれると助かるのにね」と話していたという。

同局の担当者のもとには、「カフェを探しても見当たらず、結局、会議に参加できなかった」などの声も聞こえてきた。このままでは、営業機会の逸失などにもつながりかねない。法人契約を結ぶことが決まった。ブイキューブでは、法人契約の顧客向けに格安な定額プランがあることも決め手になった。利用時には社員が企業コードや個々に割り当てられたパスワードなどを使って直接予約するので、会社側の日常業務が増えることもない。

「モチベが上がった」音楽流しながらデータ整理

室内はゆったりしており、大柄な男性でも窮屈な感じはしない。壁掛けの大型モニターを置く拠点もあり、持参のノートパソコンと2画面で仕事ができる
室内はゆったりしており、大柄な男性でも窮屈な感じはしない。壁掛けの大型モニターを置く拠点もあり、持参のノートパソコンと2画面で仕事ができる

では、業務で自由に使えるようになった街かどテレキューブについて、産経新聞社メディア営業局の局員はどう感じているのだろうか。8月末に行ったアンケートでは、営業という職種からか、「訪問先への移動の途中で、別の打ち合わせができた」「営業先でのやりとりを帰社前にいち早くまとめられた」など、空き時間の有効活用で業務の効率化、勤務時間の短縮につながった実例がいくつも寄せられた。

さらに、「会社近くの街かどテレキューブで好きな音楽を聴きながら、データ整理が気持ちよく進んだ」「テレワークの日に自宅近くのショッピングセンターの街角テレキューブを利用し、集中してウエブ会議に臨めた」など、モチベーションアップに活用した社員も多かった。

半数以上が「会社、自宅よりも仕事進む」

ブイキューブが2~3月、首都圏の会社員、経営者の計500人を対象にオンラインで実施した「サードプレイス」に関する意識調査(※)でも、全体の61.6%が仕事のできるサードプレイスの必要性が「高まった」、54%が仕事場として「利用したい」と回答した。さらに、サードプレイスを使うことで、67.6%が自宅よりも、51.8%がオフィスよりも「効率的に働ける」と答えた。

サードプレイスに求めるもの(複数回答)は、「個室」(65.6%)がトップ。「電話やウエブ会議ができる」(57.8%)、「高速ネットワークがある」(55.6%)、「電源が使える」(55.2%)の順に多かった。これらに次ぎ、「会社負担で利用できる」も51.5%と半数以上を占め、法人契約を期待するビジネスパーソンが多いことを裏付けた。

(※)【第三の場所(サードプレイス)に関する実態調査】コロナ流行後、自宅でも職場でもない「第三の場所」を求める人が増加~約7割は「サードプレイスは自宅より効率的に働ける」~

高い居室性が魅力 都心には10台以上設置の拠点も

ブイキューブは20年以上、企業や官公庁のウエブ会議システム用のソフトウエアを開発・提供してきた。テレキューブが企画・開発されたのは17年。同社事業企画室サードプレイスDXチームの小塚雄基さんは、「当時の開発メンバーによってウエブ会議用の個室が必要になっていくだろうと判断しました」と振り返る。

業務効率化に貢献するサードプレイスのあり方を熱く語る小塚さん
業務効率化に貢献するサードプレイスのあり方を熱く語る小塚さん

産業新聞社のように企業内へのテレキューブ導入も進んでおり、公共設置・企業設置を合わせたテレキューブ全体の22年6月現在での出荷台数は12,000台超で、防音型個室ブース業界シェアトップ(日本マーケティングリサーチ機構調べ)となっている。ブイキューブによると、契約者数は7月現在、対前年度比で個人が230%、法人が130%の伸びを示している。

「ウエブ会議の便利さが世界的に認められ、文化として定着しています。新型コロナが収束しても、継続すると思います」(小塚さん)とさらなる需要増を見込む。

街かどテレキューブの強みについて、小塚さんは「パイオニアとして培った居室性の高さです。オフィスの自席のように使える、ゆとりのあるデスクとソファ、防音・遮音や衛生対策などで居心地を高めた上質な室内に、高い評価をいただいています」と強調する。

電源やUSB差込口もあり、利用中に電子機器やモバイルバッテリーなどを充電する「ピット」の役割も担うほか、空調のないスペースに設置されたテレキューブの場合、室内にはサーキュレーターやエアコンなどの空調対策が施されているブースもある。また、1分未満でブース内の空気をすべて換気できる点も、コロナ禍では注目される機能となっている。

立地も重要なポイントだ。都心の駅近くのオフィスビルなどを中心に設置を加速させ、利便性をさらにアップしたいという。稼働率が高く、台数を増やした結果、6~10台前後に達した人気拠点は、「WEB会議センター」と名付けられている。東京都内や横浜市内に4カ所あり、利用機会を増やしている。また、出張先での利用を想定し、地方展開も進めたいという。

新丸ビル内の「WEB会議センター」。計11台の「街かどテレキューブ」が並び、忙しいビジネスパーソンに役立っている
新丸ビル内の「WEB会議センター」。計11台の「街かどテレキューブ」が並び、忙しいビジネスパーソンに役立っている

法人契約した企業の業種は「本当に幅広いです。中規模以上の企業が多いですね。一気に数千人の社員にパスワードを割り当てた大手企業もあり、社員の生産性アップへの高い期待をいただいています」(小塚さん)。臨機応変にハイブリッドな働き方を続ける社員たちが切望する「サードプレイス」をどう確保するか。業務効率化を進める企業の姿勢も問われている。

→「街かどテレキューブ」の料金プランをチェック!

提供:株式会社ブイキューブ

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