「最後まで政治家だった」安倍氏が握ったマイク、昭恵夫人に返還

銃撃された安倍晋三元首相が最後に握っていたマイク。持ち手の部分などに傷がついていた(関係者提供)
銃撃された安倍晋三元首相が最後に握っていたマイク。持ち手の部分などに傷がついていた(関係者提供)

安倍晋三元首相が奈良市で銃撃された際に握っていた選挙演説用のマイクが、27日の国葬を前に妻の昭恵さんのもとに届けられた。マイクには倒れた際についたとみられる傷が残されていた。マイクを所有していた自民党の陣営関係者は「安倍氏はマイクを倒れる瞬間まで握っていた。最後の最後まで政治家だったんだと感じた」と話す。

陣営関係者の70代男性によると、安倍氏が握っていたマイクは事件直後、現場近くに停車していた選挙カーに入っていた。

奈良県警は捜査のため選挙カーを預かっていたが、事件から10日ほどたった7月中旬ごろ、男性のもとにマイクが戻された。その際、2本あるマイクのうち1本に傷があることに気づいた。

「すぐに事件の映像を見返し、安倍氏が握っていたマイクだと分かった」。風の音を防ぐため、ガーゼで覆った部分には数センチの穴が開き、持ち手の上部2カ所がへこんでいた。「マイクは頑丈で、落としただけでは簡単に傷はつかない。かなりの衝撃があったはずだ」と男性は説明する。

ハリス米副大統領が初来日 安倍氏国葬

都内を移動する、ハリス米副大統領を乗せた車列 =26日午後、東京都港区(鴨志田拓海撮影)
都内を移動する、ハリス米副大統領を乗せた車列 =26日午後、東京都港区(鴨志田拓海撮影)

周囲からは大切に保管するようにも言われたが、「最後に安倍氏が触れていたもの。夫人のもとに戻すのが一番いいと思った」。8月25日の四十九日のタイミングに合わせ、関係者を通じ、昭恵さんのもとに届けてもらった。

男性は「今でもショックが大きい。かなうなら、事件が起こる1分前に時間が戻ってほしい」と悔しさをにじませる。国葬当日はテレビ中継を見守る予定で、「安倍氏は今まで日本を守ってきてくれた。感謝の思いを込めて静かに見送りたい」と話した。


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