近年注目される「レジリエンス」は、困難にぶつかったとき、しなやかに適応して生き残る力。がん医療の現場で20年以上、患者の話を聞いてきた精神科医の著者が見出したレジリエンスとは―。
本書では、若くしてがんを発症した人が、絶望と喪失から回復する過程を紹介している。24歳で子宮頸(けい)がんを発症し、再発を経験した女性。27歳で直腸肛門がんを発症し、生きがいだった柔道を奪われた男性。負の感情にさいなまれながらも、生きる力を取り戻していく様子に、人の強さを感じる。
不安との向き合い方も解説。ネガティブな感情との付き合い方を学べる。(幻冬舎・1320円)