新型コロナウイルス感染者の発生届が必要な対象を高齢者ら重症化リスクの高い人に限定する全数把握の簡略化が26日、全国一律で適用される。感染動向の監視に支障が出ないようにするため、厚生労働省は、届け出の対象外となる若い軽症者については年代別の人数の報告を求め、感染者総数の把握を続ける。
各都道府県は、自宅で療養する若い軽症者らの相談窓口となる健康フォローアップセンターなどを整備。重症化した場合に早急に医療を提供できるかどうかが課題となる。
簡略化は、重症化リスクの高い高齢者らを守ることに重点を置いて、保健医療体制を強化するのが狙い。流行「第7波」で医療機関や保健所の届け出業務が逼迫したことをきっかけに簡略化を求める声が相次ぎ、既に緊急避難措置として9県が先行導入。政府は、健康フォローアップセンターの整備などにめどが立ち、全国的に感染者の減少傾向が確認できたことから全国一律での実施を決めた。