37歳10カ月で最年長Vの玉鷲「若手に負けたくない」 衰えは考えず

大相撲秋場所で2度目の優勝を果たし、賜杯を手に笑顔を見せる玉鷲=両国国技館(代表撮影)
大相撲秋場所で2度目の優勝を果たし、賜杯を手に笑顔を見せる玉鷲=両国国技館(代表撮影)

大相撲秋場所は、平幕玉鷲が13勝2敗で2度目の優勝を果たした。

幕内最年長の鉄人が心技体の強さを存分に見せつけた。立ち合い、玉鷲は頭で当たりながら右おっつけ。強烈な一発で高安のかち上げを止め、先手で攻める。腰の重さに定評のある元大関を下から突き起こして勝負あり。一方的に押し出して2度目の優勝を決めると舌を出し、「やったぜ」と心の中でつぶやいた。

37歳10カ月での優勝は、優勝制度が確立した明治42年夏場所以降では第22代横綱太刀山の38歳9カ月に次ぐ2番目、昭和以降ではトップの年長記録である。

押し一徹の相撲内容は全く年齢を感じさせない。所属する片男波部屋に関取は玉鷲だけだが、若い衆を2人まとめて相手に相撲を取ったり、ぶつかり稽古で、部屋付きの熊ケ谷親方(元幕内玉飛鳥)に胸を出してもらうなど工夫して鍛錬してきた成果だ。

師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は「たぶん前回優勝した時の方が強い。体力の衰えはあると思うけど、本人は衰えるという概念にとらわれていない。考えないところが良い方向に向いている」と語る。

若々しさの源泉は心の持ちようにあるのだろう。玉鷲は家族やファンの応援も、1回目の優勝の経験も、そのまま力に変える。

「自分の相撲で、見ていただくお客さんに少しでも喜んでもらいたい。前は(優勝が懸かった終盤戦に)『どうしよう』と不安があったけど、今回は『迷いなく自分の相撲を取らないといけない』と思いました」

額に付いた小さな赤い傷は真っ向勝負に生きる証しだ。「11月場所はすぐ。気持ちが熱いまま生かしていきたい。若手に負けたくない気持ちが一番です」。そのエネルギーは底が知れない。(宝田将志)

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