サッカー通信

横浜Mと川崎、熾烈なJ1優勝争い カギを握る対戦相手の置かれた「状況」

札幌と引き分けた横浜Mイレブン=日産スタジアム
札幌と引き分けた横浜Mイレブン=日産スタジアム

サッカーのJ1は全18クラブが4~5試合を残し、優勝争いは首位の横浜Mと2位の川崎に絞られつつある。ともに5試合を残し、勝ち点は横浜Mの59に対して川崎は54。横浜Mが優位に立っているものの、両クラブは連勝街道を突っ走る爆発力を秘めながら、不可解な凡戦をみせる脆さものぞかせる。J1残留争いの渦中にある対戦相手が勝ち点を頭に入れて戦い方を変えてくる可能性もあり、10月1日のリーグ戦再開後は手に汗握る展開が続きそうだ。

日本代表活動に伴うリーグ戦中断前で最後となる試合は川崎が17日の柏戦、横浜Mが18日の札幌戦だった。勝って横浜Mに重圧を掛けたかった川崎は引き分け、鬼木監督は「『諦めずに戦い続けよう』といっている」とコメント。横浜Mも引き分けて川崎を突き放せず、マスカット監督は「フラストレーションがたまった」と悔しさを露にした。

J1は川崎が2年連続の独走で制した昨季までと一転、熾烈な優勝争いが続いている。一般的に、リーグ戦最終盤になって勝ち点差が残り試合数を上回ると逆転は難しくなるといわれている。横浜Mと川崎の勝ち点差は5で残り試合数は5。あくまで目安にすぎないのだが、横浜Mと川崎のデッドヒートは剣が峰にあるといっていい。

柏と引き分け、肩を落とす谷口(右から2人目)ら川崎イレブン=三協F柏
柏と引き分け、肩を落とす谷口(右から2人目)ら川崎イレブン=三協F柏

ポイントとなるのが今後の対戦相手。横浜Mは名古屋(10位)▽G大阪(17位)▽磐田(18位)▽浦和(9位)▽神戸(13位)-で、川崎は札幌(11位)▽清水(12位)▽京都(16位)▽神戸▽FC東京(7位)-となっている。共通しているのは神戸だけで、ともに比較的、下位に低迷している相手との対戦を多く残している。

対戦相手の目的は、各節ごとに目まぐるしく変わるチームの状況によって異なってくる。J1残留を争うライバルとの勝ち点差を考慮し、勝って勝ち点3を取り続けないと残留が厳しくなるクラブもあれば、引き分けで勝ち点1を積み続ければ残留がみえてくるクラブもあるだろう。

J1屈指の攻撃力を誇る横浜Mや川崎であっても、引き分け覚悟で失点阻止を最優先に戦う相手から、勝利に必要なゴールを奪うのは容易ではない。逆に勝たなければならない状況で攻撃的に戦ってくる相手であれば、手薄となる守備を突いてゴールを奪いやすくなる。

実際にどう戦うかは各クラブの考えによるが、例えば自動降格圏を脱する16位と勝ち点差6の磐田は、残り試合をすべて勝って望みをつなぎたい。一方、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を得られる3位以内の可能性が消え、残留ラインを目前とする札幌は各試合で最低でも勝ち点1を積み重ねていけば、J2降格という最悪の事態は避けられそうだ。

全クラブの首脳陣と選手がすべての試合で勝利を望むのはいうまでもない。狙って引き分けられるほど、サッカーは簡単なものでもない。それでも優勝やACL出場権獲得、残留などと状況によって変化する目標次第で、モチベーションや戦い方が変わるのも事実だ。優勝争いの中心にいる横浜Mと川崎のチーム状況とともに、対戦相手の置かれた状況からも目が離せない最終盤となる。(運動部 奥山次郎)

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