iPhone 14で「mini」廃止 それでも日本で“小型スマホ”が支持される理由

大画面の代名詞ともいわれるスマートフォンはサムスン電子のGalaxy Noteだ。5.3型の大画面を備え、ペン入力も可能な機種として当時としても話題となった
大画面の代名詞ともいわれるスマートフォンはサムスン電子のGalaxy Noteだ。5.3型の大画面を備え、ペン入力も可能な機種として当時としても話題となった

年々画面が大型化しているスマートフォン。2022年9月に発表されたばかりの「iPhone 14」シリーズでは、12、13と続いていた「mini」がなくなり、代わりに「Plus」が加わった。

その一方でASUSが2022年7月に発表した「Zenfone 9」、ソニーが2022年に発表した「Xperia 5 IV」のような、コンパクトな機種も少数ながら発表されている。そもそも、昨今のスマートフォンはなぜ大型化して縦長になったのか、日本ではなぜ小さいスマホを求める声が多いのか考察してみる。

大型化したスマートフォン きっかけは大容量で高速な4G回線の整備

スマートフォンの大画面化にスポットが当たったのは、今から10年ほど前となる。スマートフォン=タッチパネルを備えた携帯電話というイメージが、世間一般にも浸透し始めたころである。この頃に一部のAndroid端末で5型クラスの画面を持つ端末が現れた。

当初は3.5~4型の画面を持つiPhoneへの差別化という側面が強かったが、4G回線の普及と共に大画面端末が登場した。

4G回線の普及に伴い、大容量通信を生かしたフルHD画質に対応したストリーミングサービス、高画質なゲームといったものが現れた。スマートフォン側でもフルHD解像度での動画撮影が可能になったことも働き、結果として端末の画面解像度も向上した。技術的に可能となったことも重なり、2012年頃にはフルHD画面を持つ端末が登場した。

スマートフォンでは電話やメッセージのやりとりにとどまらず、快適に高画質な動画コンテンツを視聴する、ゲームなどを大きな画面で楽しむ目的が付与された結果、端末が大画面化したと考えられる。

加えて、PCのキーボードで主流のQWERTY配列のソフトウェアキーボードでは、従来のような画面の小さい端末では文字が小さくて入力しにくいという声も多かった。これもスマートフォンの大画面化の背景にある理由の1つだ。

かつてのような横持ちのWindows Mobile端末や「BlackBerry」といった物理キーボードを備える端末では「何番目のキーを押した」という感覚的なフィードバックがあるが、ソフトウェアキーボードとなった現在主流のスマートフォンではそのようなものがない。英語圏ではPCのキーボードの配列の入力を主流にする言語も多く、画面が小さいと文字の入力がやりにくい旨の声があった。

2015年頃には6型クラスの画面を持つスマートフォンが現れた。7型タブレットとスマートフォンの間ともいえるこの端末は、「ファブレット」という、タブレット端末とスマートフォンを合わせた造語で呼ばれていた。日本ではソニーの「Xperia Z Ultra」やASUSの「Zenfone 3 Ultra」のような機種がなじみ深いだろう。このような機種は小型タブレットとスマートフォンの2台を1つでまとめることができ、動画の視聴体験ともマッチしていた。一方で、後述のベゼルレス化が進むと、ファブレット端末は市場には多く流通しなくなった。

先駆者とも言われたソニーの「Xperia Z Ultra」。6.4型という画面サイズが当時としては大型なこともあり、純正オプションとしてBluetooth 接続可能な通話子機を備えるなどの工夫もされていた
先駆者とも言われたソニーの「Xperia Z Ultra」。6.4型という画面サイズが当時としては大型なこともあり、純正オプションとしてBluetooth 接続可能な通話子機を備えるなどの工夫もされていた

会員限定記事会員サービス詳細