元日本代表ロアマヌ、13年ぶり日本ラグビー界に復帰「トライ王取りたい」

取材に応じるクリスチャン・ロアマヌ=千葉県柏市内(橋本謙太郎撮影)
取材に応じるクリスチャン・ロアマヌ=千葉県柏市内(橋本謙太郎撮影)

2005年に18歳11カ月でラグビー日本代表デビューを果たし、当時の史上最年少キャップホルダーとなったクリスチャン・ロアマヌ(36)が13年ぶりに日本復帰を果たした。ドーピングで資格停止処分を受けたことを機に、拠点を海外に移すなど日本ラグビー界から離れていたが、今季からトップイーストリーグのクリーンファイターズ山梨に加入。「トライ王を取りたい」と新天地で燃えている。

リーグ戦今季初戦として千葉県柏市内で行われるはずだった9月18日のトップイーストBグループの丸和運輸機関AZ―MOMOTARO’S戦。ロアマヌはCTBとして先発したが、悪天候のために途中で順延が決定。「こんなこともある。みんなの(身体が危険にさらされる)心配があるので、しようがないですね」と話した。25日にホームで迎えることになった今季初戦に向け「頑張ります。トライを取りたい。このリーグでもトライ王を取りたいですね」と気を引き締めた。

トンガ出身。速くて強い大型バックスとして埼玉・正智深谷高時代から高い評価を受け、05年4月、18歳11カ月の若さで代表デビュー。この記録は12年5月に藤田慶和(三重ホンダヒート)が18歳8カ月で初キャップを獲得するまで史上最年少記録だった。

07年ワールドカップ(W杯)フランス大会にも出場し、代表の主力として定着。だが、東芝在籍中の09年2月、ドーピング検査で禁止薬物が検出され、日本ラグビー協会から無期限資格停止処分を受けた(処分は14年11月に解除)。

13年ぶりに日本ラグビー界に復帰したクリスチャン・ロアマヌ(クリーンファイターズ山梨提供)
13年ぶりに日本ラグビー界に復帰したクリスチャン・ロアマヌ(クリーンファイターズ山梨提供)

「何が起きたか分からなかった」という状況下で、当時の日本代表ヘッドコーチ(HC)だったジョン・カーワン氏らに支えられ、海外でプレーする道を模索し、トゥーロン(フランス)に移籍。その後は、ベネトン・トレビゾ(イタリア)、レスター(イングランド)、エクサンプロヴァンス(フランス)と、欧州の3カ国でプレーした。

懐かしそうに振り返るのは、09年から12年にかけてプレーしたトゥーロン在籍時代。イングランドの英雄、ジョニー・ウィルキンソンら世界のトップ選手に囲まれてプレーした日々を「周りがすごかった。雰囲気が違った」と語る。スター軍団だけに、多くの選手がテストマッチのためにチームを離れる時期があり、そんなときは寂しさを感じたこともあったようだ。

19年からは台湾で親族の事業を手伝いながら、時間があるときには学生や台湾代表の指導に当たるなどしていたところ、クリーンファイターズ山梨の関係者から声がかかった。昨年からチームに合流する方針だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で今年にずれこんだという。

いまではトンガ語、日本語に加え、英語、フランス語、イタリア語も理解できるようになった。妻と3人の子供もいる。30代後半になったが、お世話になった人たちへの感謝の気持ちは忘れていない。「まだラグビーで頑張って、(お世話になった方々に)また会えることが私にとっては一番大事なこと」。13年ぶりの日本ラグビー界復帰を決めた理由の一端を語る。

その舞台となるクリーンファイターズ山梨は、地元企業などの支援を受けながら活動するクラブチーム。所属するのはリーグワンではなく、トップイーストリーグのBグループ。これまでプレーしてきた最高峰リーグではないが、ロアマヌは「下から強くしてどこまでいけるか。それが自分の目標」と迷いはない。日本での第2幕で新たな夢を追う。(運動部 橋本謙太郎)

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