国民の自衛官 横顔

(5)国防の最前線 精鋭の責任感 海自護衛艦あしがら 田中克政2等海尉(49)

緊張状態が続く艦内での任務には気持ちの切り替えが大切と語る田中克政2等海尉
緊張状態が続く艦内での任務には気持ちの切り替えが大切と語る田中克政2等海尉

北朝鮮のミサイル発射を警戒し、日本海洋上で警戒監視にあたるイージス護衛艦。その戦闘指揮所の一角で、飛翔体の行方をレーダー画面で監視する弾道ミサイル防衛士(BMD士)の重責を約6年にわたり担ってきた。約4万2千人いる海自隊員の中でも、わずか8人の精鋭だ。

長崎県佐世保市出身。自衛官だったいとこの制服姿にあこがれ、高校卒業後に海自の道を選んだ。護衛艦一筋で勤務に励み、BMD機能搭載のイージス艦「こんごう」での任務が決まると、「国防の最前線に立つ立場だから、誇りを持って励みなさい」という上司の言葉に身が引き締まった。

任務行動に出ると長ければ1カ月間にも及ぶ。任務が解除されるまではトイレや食事、風呂以外はほとんど席を外さずレーダー画面をにらみ続ける。「有事に備えいつでも即対応できるように、仮眠は戦闘指揮所の片隅に椅子3脚を並べて横になるだけ」

緊張状態が続く艦内で、乗組員らのストレス軽減のため、毎日定時のミーティングの締めくくりに「B士の小部屋」と銘打った息抜きの時間を設け、ジョークや雑学を披露するなどして緊張感を和らげる。責任感と気配りに長け、若手幹部からの信頼も厚い。7月にはイージス艦「あしがら」に移り、BMD任務を引き継いだ。

好きな言葉は「一期一会」。「家を守ってくれる妻には一生頭が上がらない」と照れくさそうに笑った。(植木芳和)

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