ロンドンの甃

国民の友人だった女王

エリザベス英女王のひつぎとチャールズ国王(手前左から2人目)ら=19日、ロンドンのウェストミンスター寺院(ロイター=共同)
エリザベス英女王のひつぎとチャールズ国王(手前左から2人目)ら=19日、ロンドンのウェストミンスター寺院(ロイター=共同)

英史上最長の約70年にわたり在位したエリザベス女王が8日、この世を去った。英全土は喪に服しつつ、偉大な君主への感謝や敬愛に包まれた。

女王が死去した翌日、首相経験者らが英議会で女王への思いを語る場面があった。メイ元首相は「悲しい」と話しながらも、偉大な功績を残した「女王の人生を祝う日だ」とたたえた。メイ氏は首相時代、冷静で考えをあまり表に出さないことから「氷の女王」と評されていた。だがこの日は、女王らと過去に食事をした際の「失敗談」をユーモアを交えて語り、議会を温かな笑いで包んだ。

メイ氏は女王との会食で準備を手伝ったとき、チーズをうっかり床に落としてしまったそうだ。一瞬迷った後、チーズを皿に戻したが、その様子を女王にしっかりとみられていた。

「女王は私(の行動)を見てほほ笑んでいたが、そのチーズは(女王らが一切手をつけないまま)テーブルに置かれたままだった」とメイ氏が語ると、目に涙をためていた議員らは思わず笑みをこぼした。

女王のひつぎの弔問に訪れた市民も列に並びながら、女王の思い出話に花を咲かせていた。親しい友人や両親の話をするように昔話を語り合う姿が印象的だった。女王は国民から敬われ、愛されていたことを実感した。(板東和正)

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