国連安保理閣僚級会合、核使用言及の露に非難集中

国連安全保障理事会が開いた、ウクライナ危機を協議する初の閣僚級会合=22日、ニューヨーク(共同)
国連安全保障理事会が開いた、ウクライナ危機を協議する初の閣僚級会合=22日、ニューヨーク(共同)

【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は22日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり閣僚級会合を開いた。会合では、プーチン露政権が30万人規模の予備役を動員し、占領下のウクライナ4州で露編入を問う「住民投票」を行うと発表したことや、ロシアが核兵器の使用を示唆したことへの非難が続出した。

グテレス国連事務総長は情勢報告で「核紛争の考えは全く受け入れられない」と表明した上で「住民投票と称する行為の実施計画を深く懸念する。武力行使による他国の領土の併合は国連憲章と国際法に違反する」と明確に指摘した。

ノルウェーのストーレ首相は「国連憲章が明瞭に示す、ルールに基づく国際秩序が攻撃を受けている」と指摘し、プーチン露大統領が主張する「ロシアに対する軍事的脅威」は存在せず、「露軍を大規模動員する正当な理由は何もない」と強調した。

ラブロフ露外相は会合に遅れて出席し「ウクライナのネオナチ政権はロシア人とロシア語を話す人々の権利を踏みにじっている。彼らを保護するための特別軍事作戦の実施は不可避だ」などと持論を展開し、演説が終わると退席した。

インドのジャイシャンカル外相は「ウクライナ紛争の軌跡は、国際社会全体にとって深い懸念事項だ。将来的な見通しはさらに不安なものとなった。核問題は特に心配だ」と述べた。

会合には、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)のカーン主任検察官も出席し、ウクライナで戦争犯罪や人道に対する罪にあたる犯罪行為が行われたと信じるに足る「合理的な根拠がある」と断言した。

ウクライナのクレバ外相は「特別法廷を設置することが、プーチン氏とその側近たちを処罰する唯一の方法だ」と訴えた。ブリンケン米国務長官はウクライナ支援の継続を明言し、「われわれはプーチン氏が(責任追及から)逃れることを許さない」と述べた。

他方、中国の王毅国務委員兼外相は「現状の課題への対応」として、食料危機など侵攻の「余波を封じ込めなければならない」と訴えた。また「一方的で恣意的な制裁の代償の大部分を支払うのは途上国だ」と述べ、米欧主導の対露制裁に反対する姿勢を示した。

クレバリー英外相は「ロシアが途上国に食料や肥料が行き渡るのを妨げている」と述べ、食料危機の原因は対露制裁ではないと訴えた。

プーチン氏は「食料危機は対露制裁が原因だ」と米欧を責めているが、クレバリー氏は「ロシアの新たな嘘だ」と強調し、「ロシアは侵攻開始数日前の安保理会合で『ウクライナを侵略する意図はない』と主張していた」と振り返った。

会員限定記事会員サービス詳細