ゼレンスキー氏 ロシア処罰「平和の条件」 国連演説

国連総会の一般討論で放映されたウクライナのゼレンスキー大統領のビデオ演説=21日、ニューヨーク(AP=共同)
国連総会の一般討論で放映されたウクライナのゼレンスキー大統領のビデオ演説=21日、ニューヨーク(AP=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、ニューヨークの国連総会でビデオ演説し、ロシアの侵攻を受けて「ウクライナは、自衛のために戦うことを余儀なくされた。ロシアは世界で唯一、戦争を望んでいる国だ」と訴え、平和を回復するためには「ロシアの犯罪行為を処罰することが前提条件になる」と強調した。

ゼレンスキー氏は演説で、「ロシアは、政治的独立と領土保全を定める国連憲章に違反してウクライナを侵略し、首都キーウ(キエフ)近郊などで民間人を拷問、虐殺した」と訴え、国際法などに違反する犯罪行為の数々を列挙した。

同氏はまた、ロシアの侵略に対抗し平和を導く「5つの打開策」があると表明し、「ロシアの侵略を処罰し、ウクライナの国民を保護し、ウクライナの領土を回復し、ウクライナの安全の保障を確約し、(侵略に対する)自衛の決意を持つことだ」と強調した。

世界には、中国や南アフリカなど、中立的な態度を示す国が少なくない。同氏は「人類の価値と平和が攻撃を受けているときに中立を口にする人たちは、いろいろな理由を挙げたとしても、自分にとって大切な利益を守っているだけだ」と語り、全ての国が「断固たる決意」をもってロシアと対峙(たいじ)するよう訴えた。

ロシアを「テロ国家」と呼び、今後も「対話を呼びかけながら、軍事動員をかけ、占領地で『住民投票』を行うだろう」と不信感をあらわにした。

また、ロシアが常任理事国として国連安全保障理事会で拒否権を持ち、安保理が事態収拾に動けない制度への不満も表明。「なぜ、常任理事国が、日本やブラジル、トルコやインド、ドイツ、ウクライナであってはいけないのだ」と問い、「この問題が解決される日は必ず来る」と語った。

今年の一般討論演説は総会議場で登壇することが原則とされたが、国連総会はゼレンスキー氏が渡航が困難な状況に置かれていることを踏まえ、ビデオ演説とすることを賛成多数で決めていた。ビデオ演説にはロシアとベラルーシ、キューバ、北朝鮮、エリトリア、ニカラグア、シリアの7カ国が反対した。同氏は「たった7カ国だ。ロシアは戦争の終結を余儀なくされる。平和は必ず達成される」と強調した。

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