配信で人気「日本統一」 初の劇場版23日公開

映画「山崎一門 日本統一」に出演する本宮泰風(左)と山口祥行=東京都港区(飯田英男撮影)
映画「山崎一門 日本統一」に出演する本宮泰風(左)と山口祥行=東京都港区(飯田英男撮影)

任侠(にんきょう)をテーマにしたドラマ「日本統一」シリーズの劇場版が23日、札幌と仙台を皮切りに各地で順次公開される。何かと敬遠されがちな任侠作品だが、平成25年にオリジナルビデオで始まった日本統一シリーズはすでに50作を超え、最近のインターネット配信ブームもあって高い人気を誇る。映画化は初めてで、10月からは地上波での新作放映も決まっている同シリーズ主演の本宮泰風(やすかぜ)(50)と山口祥行(51)に話を聞いた。

笑いあり涙あり

日本統一シリーズは、横浜の不良だった氷室蓮司(れんじ)(本宮)と田村悠人(ゆうと)(山口)が任侠の世界に足を踏み入れ、極道界の「日本統一」を目指す姿を描く。公開される劇場版は「山崎一門 日本統一」で、本シリーズのスピンオフという位置付けだ。

山崎一門は神戸の任侠団体「侠和(きょうわ)会」若頭・氷室の舎弟で、傷害の容疑で逮捕された氷室の無実を証明しようと奔走。侠和会本部長の田村まで逮捕される事態に発展し、メンバーが聞き込みを進めると大型組織による詐欺事件が背景にあることが判明する。任侠作品とはいえ、笑いあり涙ありのコメディー風でもある。

本シリーズと同様に劇場版でも総合プロデューサーを務めた本宮は「任侠ものといいつつ、ドラマ性を重視している。任侠ものに壁を作っていた人も楽しむことができる作りにしている」と自信をのぞかせる。

さらに「サラリーマンの世界に置き換え、僕たちが上司で、山崎一門が部下という感じで。『こんな上司がいたら』とか『こんな部下がいたら』と考えた」と話す。たとえば組長は社長、組同士の抗争は企業対決といった具合だ。

山口も「泰風の構成力で社会性を取り入れて見やすくしている。本シリーズを知っている人も知らない人も、老若男女が楽しめる群像劇のコメディーみたいなところを楽しんでもらえれば」とアピールする。

正反対のバディ

映画「山崎一門 日本統一」に出演する本宮泰風(左)と山口祥行=東京都港区(飯田英男撮影)
映画「山崎一門 日本統一」に出演する本宮泰風(左)と山口祥行=東京都港区(飯田英男撮影)

シリーズの中核をなすのは、この2人の「バディ」だ。冷静な氷室に対し、直情径行型の田村という正反対の2人の関係が軸となり、侠和会会長の川谷雄一を演じる小沢仁志らが迫力ある演技で脇を固める。シリーズは25年8月にオリジナルビデオで始まった。過去には千葉真一、梅宮辰夫、白竜、哀川翔といった任侠作品を代表するベテランが出演、今年9月でシリーズは53作に。この間、ネット配信が大きく伸び、本宮は「その波に乗れたことは大きい」と語る。

最近は新型コロナウイルス禍もあって自宅にいる時間が多くなった人に視聴されているとみられ、特に若い女性の評判がいいという。女性にとって任侠作品を店舗で借りることには抵抗があっても、配信ならば気軽に楽しめる。そんな人が増えているのかもしれない。

劇場版では、山崎一門のメンバーが主題歌も歌う。秋元康作詞の「男の貧乏くじ」だ。本宮によると、メンバーをカラオケに誘い、ひそかにオーディションを実施。そこで選ばれた侠和会直参四代目山崎組長・坂口丈治役の北代高士と、山崎組若頭補佐・石沢勇将役の本田広登がメインボーカルを務めた。

地上波へ初進出

10月17日深夜(18日午前)0時25分からは、北海道文化放送で新シリーズ「北海道編」の放映が始まる。「念願だった」(本宮)という地上波への初進出で、北海道を舞台にロシアンマフィアとの戦いを描く。毎週全10話で、本宮、山口、小沢のほか、田中健や大和田伸也らが出演する。U-NEXTで10月10日から先行配信する。

シリーズが10年目に突入し、劇場版や地上波へと幅が広がっていることの理由を尋ねた。すると、本宮が「山口さんの努力じゃないでしょうか」といえば、山口は「泰風さんのリーダーシップだと思います」。笑顔で見つめ合いながらそう語った2人は、シリーズを離れても、よきバディのようだ。(酒井充)

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