バイデン氏、対ロシアで途上国へ共闘呼びかけ

国連総会で演説するバイデン米大統領=21日、ニューヨーク(ロイター)
国連総会で演説するバイデン米大統領=21日、ニューヨーク(ロイター)

【ニューヨーク=坂本一之】バイデン米大統領は21日の国連総会の一般討論演説で、安全保障理事会の常任理事国であるロシアがウクライナ侵略を図ったことを繰り返し批判し、国際平和の維持を目指す国連の存在意義が揺らいでいることを訴えた。「グローバルサウス」と呼ばれる南半球を中心とした途上国には、米欧と距離を置く国も多いことから、中露の権威主義体制が国際秩序を脅かす実態を示し、民主主義陣営の支援策をアピールすことで侵略への共闘を呼び掛けた。

「分かりやすく話しましょう。国連安保理の常任理事国(のロシア)が隣国を侵略し、地図から主権国家を消そうとしたのだ」

バイデン氏は各国の代表団を前に、ロシアの非難から演説を始めた。

ウクライナ侵略が国連憲章に反し、ロシアが核の脅威を欧州に振りかざしていることなどを指摘。平和を追求する国連で重い立場の常任理事国による暴挙を列挙し、「世界はこれらの非道な行為を見るべきだ」と国連加盟国に語りかけた。

こうした演説の背景には、米露の覇権争いに巻き込まれることを忌避する途上国の声がある。

しかし、侵略をロシアに諦めさせるにはさらなる国際圧力が必要だ。バイデン氏はロシアの侵略で途上国が被る食料危機への対応を強化し、演説の中で29億ドルにも及ぶ支援を打ち上げた。国連や先進7カ国(G7)などによる支援をリードする姿勢も強調した。

演説前日には、ブリンケン米国務長官がアフリカ連合(AU)などと「グローバル食料安全保障サミット」を開くなど、途上国の発展に尽力する取り組みのアピールにも力を入れる。ただ、ロシアの侵略に対する共闘を呼び掛けるバイデン氏の声が途上国の態度を変えられるかは未知数だ。

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