高安、迷いなき押し 若隆景との3敗対決制す

【大相撲九月場所12日目】●若隆景(ひきおとし)高安○ 高安(右)が3敗を守った=両国国技館(尾崎修二撮影)
【大相撲九月場所12日目】●若隆景(ひきおとし)高安○ 高安(右)が3敗を守った=両国国技館(尾崎修二撮影)

大相撲秋場所12日目、高安と若隆景の3敗同士の対戦を前に、1敗で先頭を走る玉鷲が負けた。星の差が詰まった2人が燃えないはずがない。まして、玉鷲を引きずり下ろしたのは若元春。弟の若隆景としては絶好の〝援護射撃〟を受けた格好である。

果たして両者の取組は、立ち合いから激しいぶつかり合いとなった。高安は右から厳しいかち上げを見舞い、下から押っ付けてくる相手に対し、休まず突いて押して出た。最後は、その圧力にバランスを崩した若隆景を引き落とし。「後手にならないように取れました。思い切り踏み込めてよかったです」。前日の黒星を引きずらない、迷いのない相撲だった。

春場所優勝決定戦で敗れた因縁の相手を下し、初の賜杯に望みをつないだ。横綱大関陣が不安定な昨今は、番付下位の力士もチャンスをつかんでいる。令和に開催された19場所で6人の初優勝力士が誕生。うち4人は平幕だ。今場所も、成績上位の2敗と3敗の計5人は、いずれも平幕である。

先場所、初優勝を遂げた逸ノ城について、高安は「僕も感化されました。励みにして、次は自分がという気持ちで精力的にやっていきたい」と語っていた。どんなに悔しくとも、まだ優勝できていない現実から目をそらさない真摯(しんし)さが、32歳の元大関にはある。

残り3日。「気を引き締めて、盛り上げられたらいいですね。切羽詰まるより落ち着いて相撲を取れるように心掛けています」。優勝争いをリードする玉鷲とは、まだ対戦を残している。(宝田将志)

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