強制不妊 賠償請求権は「消滅」 大阪地裁

旧優生保護法(昭和23年~平成8年)下で不妊手術を強制されたのは憲法違反だとして、いずれも聴覚障害がある70代夫婦が国に計2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁であった。横田典子裁判長は旧法を違憲と判断したが、不法行為から20年が経過すると損害賠償請求権が自動的に消滅する旧民法の「除斥(じょせき)期間」を適用して賠償を認めず、原告側の訴えを棄却した。原告側は控訴する方針。

同様の裁判は平成30年以降に全国で起こされたが、手術の違憲性が認められても除斥期間が壁となり、地裁段階ではいずれの訴えも退けられた。しかし今年2月に大阪高裁、同3月に東京高裁が、それぞれ除斥期間の適用は「正義・公平の理念に反する」として国に賠償を命じ、被害者救済を認める判断が続いていた。

今回の裁判で、原告のうち妻は乳児期の高熱が原因で聴覚障害となり、昭和49年の長男出産から3日後、知らないうちに不妊手術を受けさせられた。

横田裁判長は判決理由で、強制不妊手術の根拠となった旧優生保護法は「非人道的かつ差別的」で憲法違反だと指摘。国が障害者への差別を助長する中、提訴が困難だった状況を踏まえ、無条件で除斥期間を適用すべきでないという両高裁の判断を踏襲した。

ただ訴訟提起など法的な権利の行使が困難な事情がある場合、その困難が解消されてから6カ月間、時効を停止するとの民法の規定を準用。別の被害者が提訴した平成30年1月時点で問題が広く報道され、70代夫婦の原告も提訴可能な状況になったのに、それから6カ月以内に提訴しなかったため請求権は「消滅した」と結論づけた。提訴は令和元年12月だった。

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