浪速風

伝家の宝刀いつ抜くか

藤沢周平に『竹光(たけみつ)始末』という短編がある。主人公は江戸時代の就活中の貧乏浪人。ある藩が採用の条件として持ちかけたのは、不埒(ふらち)な武士を処罰するために斬ることだった。見逃してくれ、と言うその武士に浪人は、持っている刀は本物ではなく竹光なのだ、とチラ見せする。すると武士は躍り上がって刀を抜き…

▼追い詰められた日本政府が刀の柄(つか)に手をかけている。外国為替市場で進む円安・ドル高を食い止めるため「伝家の宝刀」とも言われる為替介入をちらつかせた。だが、外為市場の規模からみて、経済大国・日本といえども力不足、単独で流れを変えるのは難しい、と大方の市場関係者はみている

▼日本時間の22日、日本、米国、英国などの中央銀行がそれぞれ金融政策を決める会合を開く。ひと波乱あるやもしれぬ。不安定な経済情勢で求められるのは結局、成長を導く確かな政策だろう。竹光の浪人は、ある技で切り抜けた。修練のおかげである。

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