ウクライナ「集落を奪還」 ドンバスでも攻防激化へ

砲撃でがれきとなった建物のそばに立つ男性=19日、ウクライナ・ルガンスク州(ロイター)
砲撃でがれきとなった建物のそばに立つ男性=19日、ウクライナ・ルガンスク州(ロイター)

ウクライナに侵略したロシアが制圧を宣言している東部ルガンスク州のガイダイ知事は19日、ウクライナ軍が同州の主要都市リシチャンスク西方約10キロの集落ベロゴロフカを露軍から奪還したとSNS(交流サイト)で発表した。同氏は「ルガンスク州の解放はハリコフ州より困難になる」とした上で、それでもウクライナ軍がルガンスク州で本格的な反撃を近く開始するとの見通しを語った。

ウクライナ軍の反攻に遭い、東部ハリコフ州から事実上の撤退を表明したロシアは、主目標とする東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)全域の制圧に注力する方針。ウクライナのゼレンスキー大統領はドンバスでも奪還作戦を行うとしており、今後、ドンバスを巡る戦闘の激化が予想されている。

一方、ドンバスの主要部を実効支配する親露派武装勢力「ドネツク人民共和国(DNR)」と「ルガンスク人民共和国(LNR)」(ともに自称)の「大統領府」の諮問機関は19日、「両国」でロシア編入の是非を問う「住民投票」を早期実施するようそれぞれの首長に勧告した。これを受け、DNRのプシリン首長とLNRのパセチニク首長が電話会談し、住民投票の実施へ協力することを確認した。タス通信が伝えた。

ロシアと実質的に一体の「両国」は従来、ドンバス全域の掌握後に住民投票を行う意向を示してきた。ただ、戦況は膠着(こうちゃく)し、露軍がドネツク州を制圧できるめどは立っていない。ロシア側はドンバスの制圧を待たずに住民投票を実施し、それを根拠に既存占領地域の露編入に踏み切る可能性もある。

ハリコフ州イジュム近郊で見つかった集団埋葬地を巡って、同州のシネグボフ知事は19日、これまでに子供2人を含む146人の遺体が搬出されたと発表した。大部分は民間人で、手を縛られた遺体や拷問の痕跡がある遺体、刺し傷のある遺体も見つかったという。

埋葬地には450人以上の遺体があるとされ、ウクライナは露軍の戦争犯罪の犠牲者とみて、関与した者を特定して訴追する方針。

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