新しいマツダを実感出来る6気筒SUV 新型CX-60試乗記

そうしたなかにあってマツダの6気筒採用はちょっとした驚きだ。しかも、マツダの場合、メインどころに6気筒モデルを設定した。

開発者に訊くと、ほかのメーカーとは開発思想が異なるようだ。

「6気筒エンジンに注目したのは、(ラージ商品群として市場で競争力を持つために)500Nm超の最大トルクが欲しかったからです。そのためには大きめの排気量が必要。しかも4気筒だといまひとつ回転マナーがよくないんです」

開発主査を務めた和田宜之氏はそう説明してくれた。

“やたら上までまわるようなエンジンという印象に欠けるけれど……”とした私の質問に対しては、「燃費も重要なテーマ、6気筒でもしっかり好燃費を出すのが目標でした」と話す。

環境対応という点では、ピュアEVが絶対的な解ではない、とマツダでは考えているそうだ。

新開発の6気筒エンジンのひとつの目標は好燃費。全長4740mmサイズのミドクラスSUVであるCX-60でリッターあたり21.1kmという燃費を実現したのは、細かい努力の積みかさねだったという。

ごく低回転域や加速時などに働くマイルド・ハイブリッド・システムを搭載。4気筒では、スムーズな回転のために振動を抑えるバランスシャフトが必要になるけれど、6気筒ではそれが必要なく、ゆえに軽量化に結びついた。さらに、今回、新設計のトルコンレス8段オートマチック変速機によって、走り出しにギアを締結することでトルコン特有のスリップによる燃費ロスも削減。これらの積み重ねが21.1kmに結びついたのだ。

ちなみに3.0リッター直6ターボディーゼル搭載のBMW X3 M40dのJC08モード燃費は14.9km/L。いかにCX-60の燃費が優れているかお分かりだろう。

ロードスターを作るマツダならではのSUV

週末にはちょっと遠出してゴルフに行くのが趣味だとか、家族での旅行にいく頻度がけっこう高い、なんてユーザーには、このクルマの真価がよくわかるはず。マツダによると、実際、2022年になってから、一時落ち込んでいた個人の年間走行距離が、延びる傾向にあるんだそうだ。

しっかりした操舵フィーリングのステアリング・ホイールと、やや硬いかな? と、思うものの、高速でも街中でも乗員がぐらぐら揺れないフラットな乗り味。エンジンのトルクはたっぷりあって、マイルドハイブリッド・システムのおかげもあって、走り出しから切れ目なしに速度があがっていくのも気持ちがよい。

会員限定記事会員サービス詳細