【ワシントン=坂本一之】訪米中の浜田靖一防衛相は14日(日本時間15日未明)、米国防総省でオースティン国防長官と会談、相手領域内でミサイル発射を阻止する「反撃能力(敵基地攻撃能力)を含めあらゆる選択肢を検討し、防衛力の抜本的強化を実現する」と伝え、オースティン氏から強い支持を得た。両氏は、米国の核を含めた拡大抑止の強靱(きょうじん)性の維持に向け日米の閣僚レベルで議論を進めることで一致した。
浜田氏は会談で、年末にかけて改定を進める外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略(NSS)」や防衛計画の大綱など戦略3文書に加え、防衛予算の増額に向けた取り組みなどを説明。オースティン氏は強い支持を表明した。両氏は年末に向け、緊密に考えをすり合わせていくことでも合意した。
オースティン氏は中国軍の最近の動きに関し、「台湾海峡や日本周辺海域における威圧的な行動は挑発的で攻撃的だ」と非難。両氏は「インド太平洋地域で力による一方的な現状変更を許容しない」とし、「緊密かつ隙のない連携を図っていく」ことを確認した。
核・ミサイル開発を続ける北朝鮮問題では「迅速に対応できるよう日米、日米韓の連携をさらに緊密なものにしていく」とした。
また両氏は、米空軍無人機「MQ9」が海上自衛隊の基地に一時展開することを巡り、MQ9が取得した情報などを日米で共同分析することで合意。現在のシステムで迎撃が困難とされる「極超音速兵器」に対抗する技術に関して連携を進めることで一致した。