「映画だと〝反逆〟ができる」 巨匠ゴダール監督死去

ジャン=リュック・ゴダール氏
ジャン=リュック・ゴダール氏

13日に死去が伝えられたジャン=リュック・ゴダール監督は「極度のインタビュー嫌い」といわれた。だが、平成14年10月に世界文化賞受賞者として36年ぶりに来日した際、報道陣を前に1時間半にわたり、「映画と自身に関する事柄」を縦横に語った。

既成の映画文法を破壊し、世界の映画人に大きな影響を与え続けた「ヌーベルバーグの旗手」による、日本における「歴史的」な会見だった。

この会見で、ゴダール監督は「私は少し反逆的な人間かもしれない。普通の人がしないことをするのが好きだ。映画だと、それができる」と映画に対する思いを打ち明けた。

1950年代パリ。カルチェ・ラタン(学生区)で映画仲間たちと交流し、映画誌「カイエ・デュ・シネマ」に批評を書くことから映画との関わりを深めた。「反逆」の人は「ブルジョアの祭典と化したカンヌ映画祭粉砕」を叫び、映画祭を中止に追い込んだこともあった。

会見では、54年に初めてムービーカメラで短編を撮って以来、映画を撮り続けた理由を問われた。

「他のことができないから」。ゴダール監督は、そう言って笑わせたが、仏作家、マルグリット・デュラスの「映画はとても簡単。すべて機械とスタッフがやってくれる。あなたはただ見て、聞いていればいい」という発言を引用すると、こう続けた。

「年をとるにつれ、見ることも聞くことも、とても難しいことだということがわかってきた」

謙虚という意外な素顔までのぞかせた会見だった。(石井健)

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