太陽光融資詐欺、経理担当専務に懲役5年求刑

発電事業の開発費用と偽って金融機関から融資金約7億5800万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた太陽光発電関連会社「テクノシステム」元専務、小林広被告(68)の公判が13日、東京地裁(向井香津子裁判長)で開かれた。検察側は「融資交渉の担当者として詐欺の実行行為を担った」として懲役5年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求め、結審した。判決は12月26日。

検察側は論告で、被告が経理部門を統括する専務に就任した平成29年7月以降、テクノ社の入出金状況を把握していたと指摘。同社が協力会社との実体のない循環取引で数十億円単位の粉飾決算を行い、実際は債務超過に陥っていたことを認識していたと述べた。

その上で、被告が令和元年11月に約2700万円の役員報酬を受け取っており、「会社を存続させて報酬を得る利欲目的で犯行に及んだ」と断じた。

弁護側は、粉飾決算は被告が関わる以前から行われており、だまし取った融資金の流用にも関与していないと主張した。

被告は最終意見陳述で、捜査段階で犯行を否認していた点について、共犯者がほかにいるにも関わらず、「『すべての責任を私に押し付けられるんじゃないか』と恐れを抱いた」と弁解した。

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