Apple Watch Ultra登場の意味とは スマートウォッチの未来を考える

22年4月に発売されたガーミンのフラグシップモデル「tactix 7 PRO Sapphire Dual Power」(価格17万500円)。マルチスポーツ対応に加えて、落下速度や高度などを表示する航空機能などを搭載。ソーラー充電にも対応する(出典:ガーミン、tactix 7 Pro Sapphire Dual Power)
22年4月に発売されたガーミンのフラグシップモデル「tactix 7 PRO Sapphire Dual Power」(価格17万500円)。マルチスポーツ対応に加えて、落下速度や高度などを表示する航空機能などを搭載。ソーラー充電にも対応する(出典:ガーミン、tactix 7 Pro Sapphire Dual Power)

しかし、ガーミンの壁は厚い。アップルは「Apple Watch Ultra」でバッテリー駆動時間を約36時間と倍に延ばしたが(低電力モードなら約60時間)、それでもまだ短い。対するガーミンは、ソーラー充電を組み合わせることで、最も電池を消費するモードで約41時間、バッテリーを節約するモードであれば、約1年3カ月の稼働が可能なのだ。

また、ガーミンはスポーツ別に多くのラインアップを用意、よりきめ細かな測定や記録ができる。アップルは、1モデルで多くの本格的アクティビティに対応しなければならないのが現状で、アクティビティごとのラインアップを揃えたりり、アプリを用意するには、まだしばらく時間がかかるだろう。

グーグルも今秋スマートウォッチを発売予定

それでも「Apple Watch Ultra」がスマートウォッチ市場に与えたインパクトは大きい。ビジネスユースやカジュアルユースがメインだった「Apple Watch」が、高付加価値スマートウォッチ市場に参入したことで、市場全体はさらに活性化するはずだ。

さらにグーグルは、今年5月に開催した開発者向けイベント「Google I/O 2022」で「Google Pixel Watch」を発表し、今秋発売予定としている。グーグルが買収したウェアラブル機器メーカーFitbitのフィットネス機能を備えており、Androidスマートフォンと連携できるほか、Google Homeアプリを介して家電の操作もできるようになるという。「Google Pixel Watch」も発売後は多くの注目を集めるはずだ。

今秋発売予定とされるグーグル「Google Pixel Watch」。タッチ決済にも対応(出典:グーグル、Google Pixel Watch)
今秋発売予定とされるグーグル「Google Pixel Watch」。タッチ決済にも対応(出典:グーグル、Google Pixel Watch)

スマートウォッチ市場の拡大はヘルスケアとアクティビティが鍵

15年にApple Watchが登場したことをきっかけに、爆発的に普及したスマートウォッチ。市場の中心は400ドル前後のスタンダードモデルだが、こうして見ると、100ドル以下の低価格モデルと、1000ドル以上の高性能モデルの勢いが増していることが分かるだろう。

スマートウォッチが登場した当初は、スマートフォンのような利便性に注目が集まっていたが、現在は各種センサーによる高度なヘルスケア機能や、スポーツアクティビティの記録機能がスマートウォッチの価値になっている。

その意味で「Apple Watch Ultra」は、これまでのモデルでは対応できなかったよりニッチな市場までアップルが狙って行くことを表明したモデルだといえる。

とはいえ「冒険」を訴求する高機能スマートウォッチは、一部のユーザー向けの製品だ。今後、スマートウォッチ市場がさらに拡大するために、ヘルスケア機能のさらなる強化が最も重要となる。

すでに現在、多くのスマートウォッチで、心電図や心拍の計測、不整脈の検知、睡眠の記録などができる。今後、血圧計測や血糖値管理など多くのことができるようになれば、スマートウォッチは、スマートフォン以上に欠かせないものになっていくだろう。

(ITmedia ビジネスオンライン)

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