小学6年の栁原咲輝さん、来春囲碁棋士に 日本棋院現役最年少

プロ棋士に決まった11歳の栁原咲輝さん=13日午後、東京都千代田区の日本棋院(飯田英男撮影)
プロ棋士に決まった11歳の栁原咲輝さん=13日午後、東京都千代田区の日本棋院(飯田英男撮影)

囲碁の日本棋院は13日、東京都の小学6年生、栁原咲輝(やなぎはら・さき)さん(11)を来年4月にプロ棋士として採用すると発表した。別団体の関西棋院では今月、9歳4カ月の藤田怜央(れお)新初段が誕生しているが、来年4月の入段時は12歳5カ月で、日本棋院では現役最年少となる。

平成22年10月生まれの栁原さんは3歳で囲碁を始め、9歳だった令和2年7月に日本棋院の院生になりプロを目指していた。今年初めの女流特別採用試験は2位で、入段はならなかったが、その後も男女合同の院生研修で上位の成績を保ち、8月にあった第37回ワールドユース選手権(12歳未満の部)では準優勝を果たした。

女流棋士は試験(対局)により毎年1人しか合格できないが、院生師範(プロ棋士)による「女流特別採用推薦」があり、それらの成績を考慮された栁原さんは同枠でのプロ入りとなった。

栁原さんは「(韓国の女性棋士)崔精(チェ・ジョン)九段のように世界で戦える棋士になりたいしタイトルも取りたい。仲邑菫二段のライバルになれたら」と笑顔で語った。早ければ来年1月から公式戦に参加する。

日本棋院では平成31年に、当時小学5年の10歳0カ月だった仲邑菫二段(13)が、将来有望な小学生をプロにする「英才特別採用」枠で入段している。

4月1日の入段時に12歳5カ月の栁原さんは、張心治(ちょう・こはる)初段の13歳4カ月を上回り日本棋院所属棋士では現役最年少。藤沢里菜女流本因坊(23)が11歳6カ月、趙治勲名誉名人(66)は11歳9カ月でプロになっている。

アマ六段レベルの父・賢さんと三段の母・典子さんが「将来、趣味の一つにでもしてくれたら」と教えた囲碁にのめりこんだ栁原さん。6歳のときには、仲邑二段や藤田新初段も出場経験がある未就学児対象の「キッズカップ」で優勝した。

師匠の洪清泉四段は栁原さんが小学1年のころ、当時住んでいた大阪市内で初対面したときの印象を覚えている。

「四子(最初に栁原さんが黒石4個置いた有利な状況)で打ったんですが、久々にすごい子に出合えたな、と。まじめに取り組む姿勢は(教え子の)藤沢女流本因坊と同じ」

連日10時間を囲碁に費やし、詰め碁を作成することも。「最近作ってくる詰め碁の問題は解けないほど難しいものもある」と洪四段が苦笑いするほどだ。

プロを目指したいと言ってきたとき、父の賢さんは「厳しい世界と聞いていたが、やりたいことがあるなら応援したいと思った」と話し、令和2年7月に日本棋院の院生に。それからわずか2年で、プロ棋士になる夢をかなえた。

昨夏の東京五輪の影響で卓球をするようになったほか、漫画「名探偵コナン」を読む以外は、囲碁づけの日々。「戦いの碁は好きだけど、地にからい棋風だと思う。まずは二段にあがりたい」と栁原さんは目先の目標を話した。

「女流特別採用推薦」棋士制度は、普及活動の増進と女流棋士の拡充を目指し平成30年に設けられた。従来1人しか入段できなかった「女流特別採用棋士」の採用条件を緩和したもので、これまで12人がプロになっている。日本棋院によると、対局で結果を出すとともに、ほかの棋士以上に普及事業への積極的な取り組みが求められるという。

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