――土壌汚染に関する調査や対策技術の研究、その普及事業などを手掛けてきた
「国内における土壌汚染の調査・対策事業は、当センターの会員企業の最新データである令和2年度で6773件、受注額は687億円だった。これは件数で前年度比約10%減、受注額で6%減となる。土壌汚染対策事業は平成18~19年がピークで、当時に比べると現在は件数で2分の1、受注額では3分の1となっている。これは、この十数年で対策事業が進み、社会に定着してきたことを意味している」
――今後の推移についてはどうみるか
「環境省による環境汚染防止分野の市場規模推計では、令和7年ごろまで若干の減少が続くものの、以降は横ばいか微減で推移するとみられている。ただ、これまで顕在化していなかった有機フッ素化合物などの物質について対策を講じる必要が出てきたり、六価クロムなど発がん性物質についても基準の強化で対策が迫られるケースはでてくるだろう」
――課題や展望は
「新しい汚染物質の登場や環境基準の強化などはこれからも続く。これらに対応する新たな技術開発が必要だ。対策についてはより短期間の工期でエネルギー消費の少ない方法が求められるだろう。14日からは4年ぶりに『土壌・地下水浄化技術展』が開催される。同展示会では、最新の技術やサービスに関する出展も期待される。これからの土壌汚染対策を知る上で貴重な機会となるはずだ」(青山博美)
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せきぐち・たけし 東工大院修了。昭和59年、清水建設入社。執行役員エンジニアリング事業本部長などを経て令和4年、専務執行役員エンジニアリング事業担当。令和元年から土壌環境センター会長。東京都出身。