原発は「深刻」 IAEA事務局長が砲撃停止強調

IAEAのグロッシ事務局長(中央)(共同)
IAEAのグロッシ事務局長(中央)(共同)

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は9日、ウクライナに侵攻したロシア軍が占拠する南部ザポロジエ原発周辺で砲撃が続いているとし、状況は「深刻だ」とする声明を発表した。「原子力事故のリスクが著しく高まっている」と訴え、砲撃の即時停止を要求。原発周辺を安全管理区域に指定する必要性を強調した。

グロッシ氏は、ザポロジエ原発が立地し原発作業員も住むエネルゴダール市で、発電施設が砲撃によって破壊されて停電が発生し、原発の安全な運転が損なわれていると説明。砲撃は増え続けているとし、外部からの原発への安定した電源供給を確保できる可能性は低いと危機感をあらわにした。

原発作業員は現在運転している唯一の原子炉の停止を検討しており、原発全体が非常用のディーゼル発電機に頼ることになるという。(共同)

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