ハリコフ州幹部「要衝を奪還」 露軍、総崩れも

ウクライナ東部ハリコフ州で、パトロールするウクライナ兵=9日(ゲッティ=共同)
ウクライナ東部ハリコフ州で、パトロールするウクライナ兵=9日(ゲッティ=共同)

ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は9日のビデオ声明で、東部ハリコフ州で30カ所以上の集落を露軍から奪還したと発表した。同州の幹部は10日、SNS(交流サイト)上で「(同州の交通の要衝)クピャンスクを露軍から解放した」と表明した。ウクライナ軍は米欧側から供与された兵器を活用して南部や東部で反攻を進めており、今後、露軍の防衛線が崩壊する可能性も指摘されている。

米シンクタンク「戦争研究所」は9日、ウクライナ軍が最近、同州内で約2500平方キロメートルの領土を奪還したとする分析を公表。ウクライナ軍は既にクピャンスク郊外まで達していると指摘し、ウクライナ軍が前進を続け、「今後数日間でイジュム周辺の露軍は孤立する可能性が高い」とした。

英国防省も10日、「露軍はウクライナ軍の反攻に衝撃を受けている」と指摘。ウクライナ軍がハリコフ州の複数の都市を包囲し、州の重要都市イジュム周辺で露軍を孤立させているほか、クピャンスクも奪還する可能性があるとの見方を示していた。

クピャンスクは最前線である東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)への補給ルートで、英国防省は「クピャンスクを喪失すれば露軍に大打撃となる」と分析。また、ヘルソン州など南部でも反攻が進んでおり、露軍は2方面で圧力を受けているという。

タス通信によると、ハリコフ州の占領地域にロシアが設置している暫定統治機関「軍民行政府」トップのガンチェフ氏は9日、ウクライナ軍の攻撃が激化しているとして、イジュムやクピャンスクから住民避難を開始したと明らかにした。

露国防省は9日、ハリコフ州に兵員や装備が向かう動画を公開した。増援部隊だとみられる。

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