鬼筆のスポ魂

米でもがく筒香…来季は日本球界復帰か、大リーグ挑戦か 植村徹也

米大リーグで結果が出せず、もがく筒香嘉智。来季の動向が注目されている
米大リーグで結果が出せず、もがく筒香嘉智。来季の動向が注目されている

それでもメジャー昇格を追い求めるのか、それとも日本球界復帰か…。筒香(つつごう)嘉智選手(30)にとっては熟慮のオフがやって来る。

トロント・ブルージェイズ傘下3Aバファローに所属する筒香は4日のレッドソックス傘下3Aウースター戦に8番右翼で先発出場し、3打数ノーヒット1三振。これで4試合連続ノーヒットで、8月30日の第5打席以降、16打席でヒットがない。移籍後の12試合の打率は1割8分6厘だ。

渡米3年目となった今季の筒香は昨季オフにピッツバーグ・パイレーツと1年400万ドル(約5億6000万円)で再契約し、メジャー50試合に出場。しかし打率1割7分1厘、2本塁打、19打点と振るわず、8月5日に自由契約。8月16日にブルージェイズとマイナー契約で合意し、3Aでプレーしている。

筒香は2020年にDeNAからポスティングシステムを利用してタンパベイ・レイズに移籍。2年総額1200万ドルで契約したものの、打撃不振で翌年の2021年5月には自由契約。その後、金銭トレードでロサンゼルス・ドジャースに移籍したが、7月にはメジャー40人枠を外れた。8月にはパイレーツとメジャー契約を結び、昨季オフに再契約…という経緯だ。

3年に満たない歳月で筒香が袖を通した大リーグのユニホームはレイズ→ドジャース→パイレーツ。結果を出せないまま、3Aでもがき苦しみ、もうすぐマイナーの全日程(4月5日~9月28日まで計150試合)は終了する。もはや大リーグ30球団の評価は固まっていると見られ、来季の去就が注目されている。

選択肢のひとつは〝秋山ロード〟だ。秋山翔吾外野手(34)は今季途中の6月27日に広島カープと契約。西武から2020年に海外フリーエージェント(FA)権を行使してシンシナティ・レッズに移籍したものの、結果が残せず今季の4月に自由契約。パドレスとマイナー契約を結んで傘下3Aエルパソに。若手優先起用のチーム方針からメジャー昇格はかなわず、他のメジャー球団からのオファーもなかった。

「筒香が日本球界復帰を決断するのであれば、獲得オファーを出すのは古巣のDeNAだろう。しかし、資金力の豊富な巨人やソフトバンクが手を挙げる可能性は残っている」とは球界関係者の話だが、筒香は秋山のように日本に帰ってくる気持ちがあるのか。

ここまでの経緯の中で日本球界に復帰するタイミングは何度もあった。代理人を務める米大手エージェント会社「ワッサーマン・メディア・グループ」のジョエル・ウルフ氏も日本復帰を勧めている…という情報もある。それでもマイナー契約を受け入れ、大リーグ昇格に挑み続けてきた。

現在も日本球界に戻る意思は示しておらず、来季の春季キャンプに招待選手として参加し、大リーグ昇格を目指す考えだ…という情報もある。オークランド・アスレチックスやワシントン・ナショナルズ、カンザスシティ・ロイヤルズなどが候補になるようだ。

筒香は大リーグ挑戦を決めた時期から専属のトレーナーやコックを雇い、「チーム筒香」で3シーズンを過ごしてきた。日本球界に復帰すれば、チームも解体となる。さらに現役生活を終えた後のセカンドキャリアについての独自の考え方があるとみられる。故郷の和歌山県に〝筒香球場〟を建設したのも、将来構想の一環…という説だ。こうした背景が日本球界復帰に舵を切らない理由では…と見られている。

しかし、日本プロ野球10シーズンで通算205本塁打、613打点を記録したスラッガーがこのまま米大陸で苦しみ、埋もれたままでいいものか…。今オフは決断の時ではないのか。

(特別記者)

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