電源の入らない携帯電話が復活 KDDI「おもいでケータイ再起動」が好評

古くなった携帯電話が再起動し、残っていた画像データを見ながら当時の記憶を懐かしむ参加者=9日、東京都中央区(浅野英介撮影)
古くなった携帯電話が再起動し、残っていた画像データを見ながら当時の記憶を懐かしむ参加者=9日、東京都中央区(浅野英介撮影)

電源の入らなくなった携帯電話を再起動させてデータを復活させるKDDIのイベント「おもいでケータイ再起動」が、利用者から好評を博している。平成28年から全国各地のKDDI直営店などでイベントを開催しており、予約枠はすぐ埋まる盛況ぶり。思い出が詰まった携帯電話が再起動されると、参加者からは歓声がわき起こった。

専用機器を使い、古い携帯電話を再起動させるための作業を行うKDDIの担当者(左)=9日、東京都中央区(浅野英介撮影)
専用機器を使い、古い携帯電話を再起動させるための作業を行うKDDIの担当者(左)=9日、東京都中央区(浅野英介撮影)

「捨てなくてよかった」と笑顔

東京・銀座にあるKDDIのコンセプトショップで9日に行われた「おもいでケータイ再起動」には、現在は使われなくなった「ガラケー」を持参した家族連れなどが訪れた。

今回初めて参加した千葉県市川市の主婦の女性(50)は、持参した携帯電話に12年前に出産した直後の長女の写真が映っていた。女性は「パスワードなどを覚えていなくて処理に困っていたが、(携帯電話を)捨てなくてよかった」と笑顔。当時の写真をバックに記念撮影も行った。

東京都内から来た女性(60)が持参した携帯電話には、亡くなった父親の約20年前の写真が映っていた。端末の状況から印刷することはできなかったが、「写真を見て、当時の記憶がよみがえってきた。やってよかった」と満足そうだった。

イベントでは、充電が出来なくなった携帯電話を専用機器で充電・再起動した上で、過去に利用者が撮影した思い出の写真を印刷して手渡している。また、銀座のコンセプトショップ限定で、壁面ディスプレイに投影された思い出の写真をバックに記念撮影することもできる。

古くなった携帯電話に残っていた画像データを印刷してもらい、当時の記憶を懐かしむ参加者=9日、東京都中央区(浅野英介撮影)
古くなった携帯電話に残っていた画像データを印刷してもらい、当時の記憶を懐かしむ参加者=9日、東京都中央区(浅野英介撮影)

端末の種類は問わず

KDDIが平成29年に実施した調査(対象者500人)によると、約9割は過去の携帯電話を所持しており、約6割は写真などのデータが端末内に残っていたという。

無料で行われているイベントは、これまでに延べ約280回、約9400人(8月末時点)が利用。今回のイベントは1回(約1時間)当たり4組の定員だが、1日8回分の予約枠はすべて埋まった。KDDIブランドマネジメント部の西原由哲さんは「予約は30日前から開始しているが、都内では2日くらいですぐに埋まる状況」と説明する。

イベントは、原則としてガラケーを対象にしており、au以外の端末でも対応が可能。端末の劣化などによって「データを100%復旧できるわけではない」(KDDIブランドマネジメント部の北山健太郎さん)というが、7割程度のケースでデータ復旧に成功しているという。音声通話やデータ通信の復旧には対応していない。

KDDIによると、東京都内では来年3月まで銀座、上野、池袋で実施し、4月以降も毎月実施する。(浅野英介)


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