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近距離モビリティーで「高齢者らの外出機会創出」

WHILLに試乗する元Jリーガーで「もーりー守山ふるさと大使」の村田和哉さん。操作性を評価した=8月31日、滋賀県守山市
WHILLに試乗する元Jリーガーで「もーりー守山ふるさと大使」の村田和哉さん。操作性を評価した=8月31日、滋賀県守山市

電動車いすのようで、デザイン性と操作性に優れた近距離モビリティー(乗り物)「WHILL(ウィル)」の実証実験が今月1日から滋賀県の彦根、長浜、守山の3市で始まっている。車いす利用者だけでなく、長距離歩行に不安を抱える高齢者やケガをした若者などが無料で体験できる。開発したベンチャー企業「WHILL」(東京都品川区)の担当者は「足の悪い方の乗り物というイメージを払拭し、すべての人の外出機会創出と観光など地域活性化に貢献したい」としている。

実証実験で彦根市内を走る利用者
実証実験で彦根市内を走る利用者

WHILLは、4つのタイヤがあり、肘掛け部分のコントローラーを操作して前後左右に進む。最高速度は時速6キロで、高さ5センチの段差を乗り越える。1回の充電で約18キロ走行できる。

4カ所で無料貸出

歩道を走行し、運転免許は不要で、18歳以上、体重115キロ以下なら利用できる。

実証実験でWHILLを無料貸し出ししているのは、【長浜】えきまちテラス長浜1階(電話予約0749・53・2500)▽【彦根】彦根観光協会事務所(同0749・23・0001)▽【守山】守山駅前総合案内所(同077・514・3765)、びわこ地球市民の森 森づくりセンター(同077・585・6333)。

駅を中心に半径2、3キロ圏内にさまざまな観光名所や買い物エリアが点在する拠点と、散策スポットが付近に広がる地域。

ただ、徒歩だと距離があり、公共交通機関も限られるため、特に高齢者が気軽に出歩いたりするのは難しい。また、疲れてしまい、十分に散策を楽しむことも難しい環境にあるという。

世界遺産登録見据え

「WHILLは操作性が非常に優れている。手のひらで簡単に操縦でき、真横にも移動できる」と彦根市での実証実験を担当する同市観光交流課の成田卓巳課長はいう。

彦根市では、WHILLの普及による観光活性化に期待をかけている。

「観光に来られたどんな方にもリピーターになっていただきたい。『しんどかった』と思われると、それが期待できない。楽しい思いで帰ってもらう、その選択の一つとしてもらえればいい」

また、彦根城の世界遺産登録を目指す同市にとっては、大きなビジョンもあり、実証実験の結果にも期待する。

「世界遺産登録を見据えると、観光客の交通手段が車だけではパンクするのは確実。観光の2次手段が必要で、そのデータとして今回の実証実験の効果をみたい」と成田課長は話す。

若い世代でも使用可

実証実験に先立って8月31日、清水エスパルス、柏レイソルなどで活躍した元Jリーガーで、もーりー守山ふるさと大使の村田和哉さん(33)が守山市での試乗会に参加した。

村田さんは、「ちょっと指先を動かすだけで操縦できる。小回りも利き、高齢者でも簡単だろう」と操作性を評価した。また、高齢者や足の不自由な人だけの乗り物ではないという感想も持ったという。

「疲れていたり、ケガをしたときにでも利用できる。今回、私のような若い世代でも使っていいという認識が広がれば、『高齢じゃないから乗らない』『車いす利用者じゃないから』といった意識も変わり、誰もが外出のきっかけをどんどん増やすことができると思う」

実証実験は彦根市が11月20日まで。長浜、守山両市は11月30日まで。(野瀬吉信)

実証実験 新開発の製品や技術などを、実際の場面で使用し、実用化に向けての問題点を検証すること。WHILLの実証実験では、長浜市2台、彦根市2台、守山市3台を使っている。

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