ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ大統領府のイエルマーク長官は4日、同国軍が奪還作戦を進める南部ヘルソン州の集落1カ所を露軍から新たに奪還したことを示す写真をSNS(交流サイト)に投稿した。イエルマーク氏は、写真とともに「一歩ずつ、一歩ずつ」と記載し、奪還作戦の進展を示唆した。
ウクライナは8月下旬、ヘルソン州など南部での奪還作戦の本格化を示唆。これまでに同州の複数の集落を奪還したとされる。ただ、露軍に情報を与えて有利にさせないためとして、奪還作戦の進展については詳細を公開しない方針。また、奪還作戦は地上部隊による前進だけでなく、露軍の兵站(へいたん)を破壊して露軍が前線にとどまることを不可能にする形で進めるとしており、奪還作戦は長期化する見通しだ。
一方、ペスコフ露大統領報道官は4日に放映された露国営テレビのインタビューで、将来的にウクライナと停戦交渉を行う可能性を否定しない一方、「(停戦は)ウクライナがロシアの要求をどう満たすかだ」と述べ、ロシア側が譲歩して停戦に応じることはないとする認識を示した。タス通信が伝えた。