PCに貼られた「ENERGY STAR」の青いシールには、どんな意味があるのか

ただ、この認証システムにも欠陥はある。『ニューヨーク・タイムズ』が2010年に実施した調査では、申請内容に虚偽の可能性があることが明らかになっている。だが、実際に報告された事例はない。

エネルギースタープログラムは22年の最重要課題として「消費者の信頼」を掲げており、それぞれの製品は独立した第三者機関によって認証されるようになった。

だが、ひとつだけ気になった点がある。それは、優れたエネルギー管理を実施した企業に与えられる「ENERGY STAR Partner of the Year Award」の受賞企業だ。受賞企業にはレイセオン・テクノロジーズやロッキード・マーティン、ボーイングといった、政府から防衛関連事業を請け負う大手企業が含まれているからである。

米国の軍事力と持続可能性を両立させることは難しいだろう。だが、この問題によって、この賞の全体的な価値が損なわれるわけではない。

気候変動に対する懸念が人々の意識に行き渡るにつれ、無力感を覚える人もいることだろう。大企業は、地球へのダメージを減らすべく十分な速度では動いておらず、消費者の習慣だけでは世界全体は変えられない。それでも無力感に屈することなく、「気候に対する懸念」が「気候に対する無関心」にならないことが極めて重要なのだ。

エネルギースター認証は小さなシールにすぎない。それでも消費者が日々の生活においてエネルギー消費に配慮した決断をすることは、地球を“黒焦げ状態”に向かわせない上で役立つだろう。それと同時に、多少の節約もできるかもしれない。

(WIRED US/Translation by Mayumi Hirai, Galileo/Edit by Naoya Raita)

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