南米ブラジルで10月2日に実施される大統領選の選挙戦が始まり、再選を目指す右派のボルソナロ大統領と、左派のルラ元大統領による事実上の一騎打ちとなっている。劣勢のボルソナロ氏は、「不正」が行われるとして現行の電子投票制度への批判を強め、選挙結果を受け入れない可能性を示唆する。同氏と親密な国軍も同調する姿勢を見せており、クーデターを危惧する声も上がっている。
「(電子投票の)システムは全く脆弱(ぜいじゃく)だ」
ロイター通信によると、ボルソナロ氏は7月、同国駐在の外交官約40人を前に、こう不満をぶちまけた。大統領が外交関係者に国内問題を語るのは異例だが、同氏の電子投票制度批判は、初当選した2018年大統領選直後からだ。