アルプスを抱える欧州の山国、スイスにある氷河の体積が2016年までの85年間で半減したとの研究結果を、スイス連邦工科大チューリヒ校(ETHZ)とスイス当局が3日までに発表した。2万枚を超える写真の分析から推計した。16年時点と比較すると現在までにはさらに12%減少し、地球温暖化の影響でペースが加速。世界各地でも氷河融解が深刻化している。(共同)
今回のスイスの研究では、1916~47年に撮影された約2万1700枚に上る氷河の写真を基に、中間年に相当する31年の氷河の状況を算出した。2016年の状況と比較して分析したところ、51・5%に相当する62立方キロメートルの氷が失われたと推計した。
アルプスの氷河は1850年ごろから消失が始まった。常に減少を続けてきたのではなく、1920年代と70年代後半には増加したところもあった。