【ソウル=桜井紀雄】韓国大統領府の金聖翰(キムソンハン)国家安保室長は米ハワイで1日(現地時間)、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)や秋葉剛男国家安全保障局長と会談後、記者団に「北朝鮮が7回目の核実験を行う場合、対応はこれまでとは確実に異なる」と強調し、「もう一度核実験をしただけという安易な考えや対応はあってはならないとの意見で一致した」と明らかにした。
金氏は、北朝鮮が核実験を強行すれば、「韓米日は国際社会とともに、誤った選択だったと(北朝鮮に)気づかせる方向で協力を最大化する」とも説明した。
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権が5月に発足して以降、日米韓3カ国の安保担当トップが直接会談するのは初めて。
韓国大統領府は2日、会談で日米韓が朝鮮半島と域内の平和安定に寄与するための3カ国間協力をさらに強化していくことを決めたと発表。「現在の朝鮮半島と国際情勢に関する評価を共有し、今後の協力策について踏み込んだ議論ができた」と評価した。
金氏は会談で、北朝鮮が非核化交渉に応じれば、積極的に経済支援を講じる尹政権の「大胆な構想」についても日米に説明し、協力を求めた。金氏は、日米が「非常に肯定的な反応」を見せ、北朝鮮が受け入れられるよう緊密に協力することで一致したとしている。
3カ国会談に先立ち、日韓の2カ国会談も行われ、いわゆる徴用工訴訟問題の解決をはじめ、両国関係を改善するための方策も協議したという。