児童虐待の深刻度をAIで見極め 政府、新たな対策2日に決定へ

首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

政府は2日、急増する児童虐待を防ぐため、新たな総合対策を策定する。年内に児童相談所(児相)の体制強化に向けた計画をまとめ、職員の業務負担軽減のため虐待の深刻度を判定する人工知能(AI)を導入する。同日の関係閣僚会議で決める見通しだ。

政府は虐待に対処する児相の相談体制を強化するため、令和元年度からの4年間で児童福祉司を2千人増やし、計5200人体制を整えるなど、環境整備を進めてきた。しかし、全国の児相が対応した虐待の相談件数が2年度だけでも約20万5千件にのぼり、死亡事件も相次いでいる。

厚生労働省子ども家庭局は「都市部で急増する相談件数に追いついていない」と指摘。児相では勤務年数の浅い児童福祉司が増えたことに伴い、経験不足から深刻な虐待事案に対応しきれないケースも目立っている。

政府は来年4月に創設する「こども家庭庁」に関連施策を一元化し、抜本的な強化を図る必要があると判断した。

新たな総合対策では、児童福祉司のさらなる増員を図る。また、対応の質の向上を目指すため、福祉の現場などで一定の実務経験がある人が、児童福祉司の中でも指導的立場に立てるような、認定資格制度の導入などを盛り込む。

さらに児相の負担を軽減するため、相談時にAIが児童を一時保護すべきかリスクの程度を見極める仕組みの開発を進め、6年度に全国での運用開始を目指すことも明記する。

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