大きな牛肉で幸せ届ける 「お肉ジャパン」社長

「おいしい牛肉で感動を与えたい」と話すお肉ジャパン社長の片根淳子さん=新潟市中央区(本田賢一撮影)※写真撮影のためマスクを外してもらっています
「おいしい牛肉で感動を与えたい」と話すお肉ジャパン社長の片根淳子さん=新潟市中央区(本田賢一撮影)※写真撮影のためマスクを外してもらっています

新潟市 片根淳子さん(47)

大手損害保険会社「損害保険ジャパン」に総合職として勤務していた女性が、牛肉があまりに好きすぎて牛の塊肉を専門に販売する「お肉ジャパン」(新潟市中央区)を創業。その経営手腕と努力が認められ、優良食料品店として表彰されるまでになった。片根淳子社長(47)に牛肉にかける熱い思いを聞いた。(本田賢一)

平成10年、現在の損保ジャパンに総合職で入り、東京・日本橋などの支社で保険代理店の管理などを担当しました。ところが、仕事が多忙で心のバランスを崩し、さらに母親が重い病気にかかっていたこともあり27年に退社しました。

その年の8月、母親が74歳で他界。葬儀を済ませた私は新潟市で新たな生活を始めました。久しぶりに、小さいころから大好きだった牛肉料理を作ってみようとネット通販で牛肉を注文したところ、なぜか大きな塊肉が届きました。初めて自分で切って料理をしてみたら、これが楽しくて、おいしい。すっかり塊肉にはまってしまいました。

食品衛生責任者の資格を持っていましたので、母の命日である28年8月1日に牛の塊肉を専門に販売する「お肉ジャパン」を創業しました。会社名は、勤めていた損保ジャパンから取りました。多忙でしたが、頑張れば男性社員以上にほめてくれるこの会社が好きでした。

当初は思うように売り上げを上げられず、借金だけが膨らんでいきました。多い時で500万円ほどあったでしょうか。飲食店でアルバイトをして、しのいでいた時期もありました。

大きな転機が訪れたのは2年前の令和2年6月でした。話題の女性の人生を描くカンテレ・フジテレビ系の番組「セブンルール」から出演オファーをいただきました。オンエアされた途端、全国から注文が殺到。主な販売窓口になっている会社のフェイスブックのフォロワーは2千人から爆発的に増え、2万人以上に登録していただいています。年商も不安定ながら1億円を超えることもあります。

今年2月には、食品等流通合理化促進機構(農林水産省の外郭団体)が主催する優良食料品店の表彰制度で、同機構会長賞をいただきました。

事業拡大のためフランチャイズ化の提案をいただくこともありますが、断っています。私の目で厳選したおいしい塊肉でお客さまを幸せにするのが私の使命。10年後も、今のままのお肉ジャパンであることが目標です。

片根淳子(かたね・じゅんこ)】 昭和50年7月、群馬県太田市出身。平成10年に立命館大経済学部を卒業後、安田火災海上保険(現損害保険ジャパン)に入り、27年まで勤務。28年8月、「お肉ジャパン」(新潟市中央区)を創業した。漫画「北斗の拳」の大ファン。ネコと一緒にいるときが幸せという。

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