イラク首都で衝突14人死亡 サドル師支持者、抗議激化

29日、イラク・バグダッドの旧米軍管理区域(グリーンゾーン)で、他の政治勢力と衝突するサドル師の支持者ら(ロイター=共同)
29日、イラク・バグダッドの旧米軍管理区域(グリーンゾーン)で、他の政治勢力と衝突するサドル師の支持者ら(ロイター=共同)

イラクの首都バグダッドで29日、有力なイスラム教シーア派指導者サドル師の支持者が政府や他の政治勢力への抗議を激化させ、首相府などの敷地に乱入した。治安当局や対立する勢力の支持者と衝突が起き、地元メディアによると、14人が死亡、270人が負傷した。

サドル師の支持者らは7月下旬以降、国会を一時占拠するなどデモを続けてきた。8月29日にサドル師が政治から「完全に引退」すると表明したことで過熱。政情不安が一気に拡大する恐れがあり、イラク軍は全土に夜間外出禁止令を出した。

地元メディアは、各国大使館や政府機関が集中するバグダッドの旧米軍管理区域(グリーンゾーン)内で砲撃音や銃声がしたと伝えた。

昨年10月の国会総選挙では、サドル師派が最多議席を獲得したが、連立交渉が難航し、国会の多数派形成に至らなかった。サドル師派の全議員が辞職し、対立するシーア派政党連合を批判してきた。政治の行き詰まりで、新たな首相や大統領を選出できずにいる。(共同)


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