シベリヤ抑留「ラーゲリ群島」放浪記(10)地の底の規律2022/8/27 16:00有料プラン記事月刊「丸」あの戦争から今へ反応武装解除された日本兵たち。その後、シベリヤへ抑留され強制労働をしいられた(月刊「丸」・昭和63年5月号収載。筆者は陸軍通訳生)ノーワヤ炭坑の事務所は、収容所横二、三十メートルほどのところに建っていて、となりの建物といった近さにあった。炭坑所長が面会したいから大隊長に通訳つきでこいとの連絡をうけ、さっそく熊谷大尉と私がおもむくと、六十歳前後に見える所長と、となりの席に四十歳前後の技師長が座っていた。そして入念な説明が長ながとはじまった。