28歳養子、死亡女性の1億円相続 保険金殺人疑い再逮捕 

高井直子さんの自宅付近の防犯カメラに写っていた凜容疑者とみられる男=昨年7月22日午後
高井直子さんの自宅付近の防犯カメラに写っていた凜容疑者とみられる男=昨年7月22日午後

大阪府高槻市の民家で昨年7月、住人の会社員、高井直子さん=当時(54)=の遺体が見つかった事件で、生命保険金をだまし取ろうと高井さんを殺害したとして、大阪府警は25日、殺人と詐欺未遂、有印私文書偽造・同行使の疑いで、養子の無職、高井(旧姓・松田)凜(りん)容疑者(28)=川崎市高津区=を再逮捕した。「黙秘します」と供述しているという。

府警によると、資産家の高井さんは2社で計約1億5千万円の生命保険に加入。凜容疑者は養子縁組後の昨年5月、偽造した書類で保険金の受取人を高井さんの実母から自身に変更していた。高井さんの死因に不審点があり保険金は支払われなかったが、凜容疑者は高井さんの預貯金など約1億円を相続していた。府警は保険金や遺産目当てに事件を計画したとみて調べる。

再逮捕容疑は昨年7月22日午後、高槻市八幡町の高井さん宅を訪れ、風呂場の浴槽内で何らかの方法で溺死させた上、同年10月、保険金約5千万円を請求して詐取しようとしたなどとしている。高井さんの両腕には結束バンドで拘束されていた形跡があったことなどから、府警が殺人事件として捜査を進めていた。

捜査関係者によると、府警は凜容疑者が当時居住していた東京都港区のマンションから、高井さん宅までの間に設置された多数の防犯カメラを精査。昨年7月22日朝に凜容疑者と酷似した男がマンションを出発し、都内の量販店でバッグなどを購入後、新幹線を利用して来阪したことを突き止めた。

さらに高槻市内の駅前から高井さん宅の方向へ黄色い自転車で向かい、数時間滞在後の同日午後6時前に高井さん宅付近を離れる様子もカメラで確認。高井さん宅を通過した先にあるカメラに男の姿が写っていないことなどから、府警は凜容疑者が高井さん宅に侵入して殺害したと判断した。

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