囲碁の第47期名人戦七番勝負の第1局が24、25の両日、東京都文京区で行われ、井山裕太名人(33)=本因坊・王座・碁聖=が152手までで、3期ぶり復位を目指す挑戦者の芝野虎丸九段(22)に白番中押し勝ちした。井山名人には今期、3連覇がかかる。第2局は9月5、6日に三重県鳥羽市で打たれる。
井山名人は5、6月に行われた本因坊戦七番勝負と6、7月に打たれた碁聖戦五番勝負でともに一力遼棋聖(25)をストレートで下しており、今年の七大タイトル戦は8連勝となった。
井山名人は「自分なりに精いっぱい打てたのかな。まだ始まったばかり。しっかり準備して(第2局以降に)臨みたい」と話した。芝野九段は「1日目終わったところで苦しい形勢だった。また変わらず頑張りたい」と前を見据えた。
井山名人と芝野九段が七大タイトル戦で顔を合わせるのは6度目。
芝野九段は令和元年、当時の張栩(ちょう・う)名人(42)を4勝1敗で破り、初の七大タイトル挑戦で名人を奪取した。19歳11カ月で七大タイトルの一つを獲得するのは、平成21年に20歳4カ月で名人に就いた井山を上回る最年少記録だった。
芝野は名人獲得後の令和元年秋に、王座戦五番勝負で井山と激突。井山を破り2冠になった。さらに翌年春には十段も手に入れ3冠保持者となった。
ただ、防衛がかかった2年の名人戦では井山に敗れ2、3年と連続挑戦した本因坊戦七番勝負も、井山に屈している。昨秋の王座戦でもフルセットの末、井山に敗れている。