野村萬斎が取り組む狂言DX化 「唐人相撲」など360度VR映像で

狂言のDX化に取り組んでいる野村萬斎さん(南雲都撮影)
狂言のDX化に取り組んでいる野村萬斎さん(南雲都撮影)

人間国宝の狂言師、野村万作さん、萬斎さん親子らの舞台を、視聴者が好きな角度から選択して見ることができる「360度VR(仮想現実)配信」がスタートしている。NTT西日本グループの最先端技術を活用し、新たな形で狂言を楽しめるデジタルトランスフォーメーション(DX)化の一環だ。

「狂言DX」と名付けられた取り組みで、第一弾として2021年10月31日、東京・千駄ヶ谷の国立能楽堂で催された万作の卒寿(90歳)記念公演「唐人相撲」と、萬斎演じる「素袍落(すおうおとし)」をオンデマンド配信している。それぞれの公演は5アングルから360度収録されており、視聴者は360度VR映像を配信できる「REALIVE360」を通じて、好みの角度から舞台楽しむことができる。

「唐人相撲」は、唐に滞在していた日本の相撲取り(野村裕基)が皇帝(万作)に帰国を願い、通辞(通訳を兼ねる大臣、萬斎)を行司に多くの人々と相撲を取る、という大曲。40人超が出演し、アクロバティックな技を見せるほか、外国風の衣装やせりふが楽しい作品だ。また「素袍落」は、伊勢参宮を思い立った主人(野村太一郎)が、伯父(石田幸雄)を誘うため、使いに出した太郎冠者(萬斎)が、酒を振る舞われ、酔って上機嫌になる様子を描く。

作品鑑賞の予備知識として、萬斎が国立能楽堂を案内する特典映像「能楽堂へ行こう」と、狂言の見方を初心者に分かりやすく伝える「狂言への入口」も無料公開中。新型コロナウイルスの感染拡大でなお舞台中止が続く中、今後も狂言を最先端技術で臨場感たっぷりに体験できる映像配信や、分身ロボット「OriHime」を使った狂言のVR体験、作品のデジタルアーカイブ化など、狂言の新たな楽しみ方を示していく予定だ。

VR視聴券販売は、12月25日(日)午後8時まで。税込み3885円。チケット購入ページはこちら。特典映像が見られる公式ページはこちら


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